地球と書いて〈ほし〉って読むな　上坂あゆ美

歌人の上坂あゆ美さんのエッセイ「地球と書いて〈ほし〉って読むな」の出品です。 私が読み終えた中古ですが、折れや曲がりのない美品です。 各エッセイの文末に短歌が添えられています。 彼女のこれまでの人生で出会ってきた数多くの理不尽と、少しの感動をユーモアたっぷりに綴った作品です。 総ページ数189。 初版発行2024年11月30日。 この冊子は初版です。 ご不在でもポスト投函されるネコポスで発送します。 タイトルになっている「地球と書いて〈ほし〉って読むな」はすごく分かります。 私は子供時代、全くアニメーションに興味がなかったのですが、クラスメイトと会話するには話を合わせる必要があったので、当時人気だった「機動戦士ガン◯ム」という作品を見てもないのに見てるフリをしてました。 「シャアが単なる悪役じゃないのがいいよね」とか。 でもある時、自治会による子供向け上映会が催されガン◯ムの劇場版が上映されることになり、「〜めぐりあい宇宙〜」との副題を「めぐりあいうちゅう」と読んだ私はそのことで全く作品を見ていないのが同級生たちにバレてしまいました。 宇宙と書いて〈そら〉って読むな。 あ、でも映画は楽しく観ましたよ。 上坂さんの中学卒業に合わせて両親は離婚し、彼女は姉と共に母一人の手で成長します。 父は姉と上坂さん名義の貯金まで持ち逃げするような人物で、当然養育費など1円も出さなかったとのこと。 今日のおかずにも困るような生活なのに、母が美大まで行かせてくれたことに感謝されています。 奨学金を満額で申請したらあっさり通ったとありますが、それくらい苦しい家計だったという証明でもあります。 この作品中には何度か、彼女が言葉の存在そのものに感謝する場面が出てきます。 「私の剥き出しの言葉を受け止めてくれ、理解してくれたとき、地球には言葉があって本当に良かったと思った」と。 言葉の大切さを知っているからこそ、たった31文字で表現する短歌の世界で認められたのでしょう。 この出品のBGMは日食なつこの「ヒューマン」です。 あなたがたとえ障碍を持っていようが、不治の病に侵されていようが、ただ人として今日を生きているだけでとんでもなく幸運なんですよ。 上坂さんも心を閉ざしていた時代が長いようですが、他者に心を開いた現在のほうが遥かに楽しいと書いてます。 ご質問等はお気軽にお問い合わせ下さい。