チャイコフスキー交響曲第6番《悲愴》
クーベリック指揮ウィーン・フィル
1956年ザルツブルク音楽祭でのライヴ録音。当時42歳のクーベリックによるイキの良い演奏会の貴重な記録。
【曲目】
・マルティヌー (1890-1959):ピエロ・デッラ・フランチェスカのフレスコ画 H.352(世界初演)
・チャイコフスキー (1840-1893):交響曲第6番 ロ短調「悲愴」 Op.74
【演奏】
ラファエル・クーベリック(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
1956年8月26日
(ライヴ録音)
Salzburg Festival、Austria
前プロの《フランチェスカのフレスコ画》はこのときが世界初演となるもので、チェコの作曲家マルチヌーが、イタリア・ルネッサンス絵画の巨匠、ピエロ・デッラ・フランチェスカの傑作『聖十字架物語』にインスパイアされて書き上げたドラマティックで美しい作品を、クーベリックが実に精力的に演奏しています。
当日はこの曲のあとにドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲が演奏され、その後、休憩をはさんでメインの《悲愴》が登場したわけですが、晴れの舞台での有名曲だけに気合の入り方も尋常ではなく、ところどころオケが前のめりになるほどの強烈なリードによって、終始一貫、高いテンションを保つことに成功しています。
音質が当時としては破格に良いのも朗報で、モノラルながら細部まで克明な音によって、迫力満点の演奏を隅々まで味わえるのが嬉しいところです。