1 / 3

商品圖片有可能與實物不同,請務必詳細閱讀商品說明內容 查看原網站

翻譯

室生朝子 「父 室生犀星」 初版本・昭和46年・毎日新聞社

價格

¥ 699

( ≈ -- )
商品狀態
有損傷或污漬
日本國內運費
賣家承擔
發貨週期
1~2 日發貨(僅供參考)
店鋪
伊予柑(時間帯指定無・あとはプロフにて)
更多
評分
654
0
私の前に、父の残した作品の大きい山が、立ちふさがっている。この書物一冊をあらたに書き終えたあと、山の裾の方に小さい洞穴があいただけである。俳句、詩、随筆、小説、そして二百首ほどの短歌、すべてこれらについて、私は初出の作品に興味を持つようになった。それらが単行本に収録された場合、初出の作品と照らし合わせる必要を感じている。このような意欲を刺戟したきっかけは、この書物を書きはじめてからである。家庭的、年齢的に、私にとってひとつの転機にある現在、父をしみじみ思い出しながら、記憶をたどり、国会図書館、近代文学館、金沢の新聞社に通いながら、三百五十枚を脱稿した時は、盂蘭盆の入りの日であった。そして迎え火を焚きながら、私はしばらくぼんやりとしていた。深い疲労が全身に一杯であったが、私は次にするべき仕事の段どりを、考えはじめていた。 七十三年の父の一生については、まだまだ書かねばならぬことは多い。そして人間がその人に 与えられた一生を終わり、後に残った者が、それらを書き記していくとき、そこには記憶の現実しか存在しないし、私の立場としては客観的に書かねばならないことのむずかしさを、つくづく感じた。だが今度、私はある距離をおいて、今までよりは、つきはなして、父を観察し、そして文章を綴ったつもりである。 父の残した「全作品」という偉大な遺産を、私は私なりに、作品を中心にして、今後も出来得る限りの力をもって、理解し調べることに、専念するつもりである。 なお、引用文はすべて原文のままにし、事実の間違いも訂正せずに発表しました。 昭和四十六年盂蘭盆の日 室生朝子 (あとがきより) ●出生 多くの疑問につつまれた誕生から、文学に眼覚めるまでの波乱の幼・少年時代 ●犀星と伊豆 いくたの、詩歌に詠まれ小説の舞台となった伊豆。 詩人の見、感じたその自 然は! ●父と詩人達 孤独だったその生で、 酒をくみかわし、談論風 発したありし日の交友! ●野田山墓地 ふるさとの街・金沢。 生、恋いこがれた生母のかたわらで永遠に眠る。 ●父と庭 花鳥風月をめでた詩人の、特に丹精こめた庭作りの かずかず。 ●晩年 著者をして”完全犯罪”とまで言わしめた晩年の女性関係は…?
翻譯

相關商品