自宅保管の品です。大変美品ですが、古いもので表紙など経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
どんなに活躍して戦功を重ねようとも、後世に遺る金言・至言がなければ、その武士の存在感は薄い。逆に武士が名将として語り継がれるのは、言葉を遺したかどうかにかかっている、とは言い過ぎだろうか。本書は常に死と隣り合わせに生きた武士たちの遺した言葉から、決断や覚悟、あるいは人生観などに関するものを集め解説を施した名言集である。「領民に嘘をつくな。たとえ、半句といえども」(北条早雲)「つねに良き友と語り合い、意見をしてもらったほうがいい。人間の善悪は、友によって決まるものだ」(藤堂高虎)「私は人に勝つ方法を知らない。ただ自分に勝つ方法を知っているだけである」(柳生宗矩)など、表裏定まらぬ世を生きた男たちの含蓄ある言葉は、決して色褪せることなく、現代の私達に多くの示唆を与えてくれる。歴史の風雪に耐えた93の名言が、私達の奥底に秘められている精神文化を呼び覚まし、心の道標となる!文庫書き下ろし。
第1章 名言にみる武士道のルーツ
第2章 理想を追い求めた男たちの熱き戦い
第3章 名将たちの金言・至言
第4章 織豊期の武将たち、その生きざま
第5章 激闘!大坂の陣、そして天下鎮定へ
第6章 泰平の世に息づく武士道と改革者の意地
第7章 「志」こそ維新回天の原動力
レビューより
覚えやすいキャッチフレーズは独り歩きして、どんな場面で使われたたか知らずとも、人々に親しまれる。それを本書のように簡潔に2〜3頁で典拠を解説してくれると、ありがたい。 「見るべき程の事は見つ」は平知盛が壇ノ浦の戦いで一門の最後を見届け、もはやこれまでと入水する前に遺した潔い言葉である。「自ら船内を掃き清めた後、豪快に笑って」という情況説明がいい。 「人は城、人は石垣、人は堀、情は見方、讐は敵なり」は武田信玄の言葉である。旗印「風林火山」をかざす戦上手の反面、部下を大切にし思いやる慈悲の心があった。