タンザニア産のジルコン原石です。
ジルコンと言えば、無色でダイヤモンドのイミテーションと言うのが最も有名ですが、実は様々な色を有して産出します。名前も、「金色」を意味するペルシャ語の(Zargun)からきています。また、ジルコンは珪酸ジルコニウム(ZrSiO4)という化学組成の珪酸塩鉱物です。その高い屈折率と分散度から、ダイヤモンドに匹敵するファイヤーと輝きを有します。酸性火成岩から広く産出する副成分鉱物です。
地球が誕生してから1億6000万年後に最初の鉱物が形成され、ジルコンは最古の鉱物(44億年)として西オーストラリアで発見されました。
純粋なジルコンは無色透明で、黄色、褐色、赤色、オレンジ、緑色、青色などの多彩の色相を呈します。ジルコン内に不純物として希土類元素(Eu、Yb、Hf、Pb、Th、U)が含まれ、放射線元素であるU、Thなどによって結晶構造が破壊され、多様な色に変化していきます。
ジルコンに含まれる放射線元素(ウラン、トリウム)は非常に微量であり、内部から放出される放射線量は、自然界からの放射線量(年間2ミリシーベルト)よりもはるかに低い1.4ミリシーベルトです。一般人の年間許容範囲は50ミリシーベルトと定められていますので、人体に影響を与えるものではありません。
日本の鉱物愛好家の間では和名風信子石(鉱)として残っています。これは一般に「ふうしんしせき(こう)」と読ませるのだが、「ふうしんし」は「ひやしんす」の別名で、「ひやしんすせき(こう)」と呼んでも差し支えありません。
植物のヒヤシンスは安政年間以降に日本に渡来し、「ヒアシント」と呼ばれていた。明治初期に「飛信子」とあて字され、その後、「風信子」「夜香蘭」などの雅称が創られました。現在はヒヤシンスの表記がスタンダードだが、大正頃までは「風信子」がよく用いられた。風信子鉱はその名残りの表現で、明治以降の鉱物学の学灯を献げる本格派は言うに及ばず、鉱物名にロマンの香りを追ういわゆる鉱石派の愛好家からも篤い支持を受けています。
このジルコンは光に翳すと淡いピンク〜パパラチアカラーか分かります。結晶状態も良く持つとけっこうな重さを感じます。
16.0×14.9×10.9mm 24.55ct
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