アジア・太平洋戦争史 同時代人はどう見ていたか
山中 恒 (著)
色々なページに敗れた跡が数か所あります
一箇所赤い書き込みがあります
日清戦争から東京裁判まで,戦時下の出版物を渉猟し,書き下ろしたあの戦争の通史,1200枚.
いったい何が自分を軍国少年に育て上げたのか.30年来の疑問を抱いて,著者は戦時下の出版物を渉猟し,日清戦争から東京裁判まで1200枚の通史を書き下ろした.悪いのは軍国主義と天皇制で,国民は犠牲者だったという一般的通念を覆し,アジアの反日・排日の意味を突きつける.いま明かされるあの戦争の真実.
■著者からのメッセージ
30年前,私は自分史『ボクラ少国民』のために,TVドラマ『あばれはっちゃく』や大林映画『転校生』の原作料などで稼いだ金をつぎ込んで2万点を超える戦時出版物を集めました.これをライブ感覚で読み直すことで,戦時下の大人は戦争をどのように考えていたかを検証してきました.そのうちに思いがけない戦争の様相が見えてきたのです.それは従来の戦争史がふれなかったもう一つの戦争でした.戦後60年,それは歴史のひだに隠れてきました.私は今,これらの戦時刊行物に秘められた同時代人の戦争観にふれることで,同時代人の理性を戦後世代に伝えるべきだと思うようになりました.それが戦時下に少国民とよばれた世代の使命だと自覚しました.また同時にこれで混迷した現代の歴史的展望の見通しの指標を提示することが出来れば幸いです.
出版社 : 岩波書店
言語 : 日本語
単行本 : 654ページ
ISBN-10 : 4000220292
ISBN-13 : 978-4000220293