ドビュッシー
①子供の領分(全6曲)
②版画 1.塔
2.グラナダの夕べ
3.雨の庭
③ベルガマスク組曲
1.前奏曲
2.メヌエット
3.月の光
4.パスピエ
④ピアノのために
⑤英雄的な子守歌
サンソン・フランソワ(ピアノ)
録音:1968-69年ステレオ(セッション)
最晩年のフランソワが天才的な閃きで描いた、幻想味溢れるドビュッシーです。繊細な中にも飛翔する音楽は永遠の光彩を放っています。ドビュッシーの持つ内的世界に広がるイメージを、最良の状態で表現できる達人によるこれらの演奏は、21世紀の現在においても不滅なもの。20世紀に残された貴重な遺産です。2017年の名曲名盤500では、②③が第1位、①が第3位に選定されています。
フランソワが最も得意としたフランスものの中でも、ドビュッシーは個性的な解釈を示した成功例で、良い意味で非常に面白みのある演奏です。彼のピアノはかなり即興的で曲によっては気まぐれにさえ感じられることがしばしばある。しかし一度聴き手の方から彼の洗練された感性に波長を合わせることができれば、その天衣無縫に飛翔するファンタジーがただならない響きの世界と音楽観を体験させてくれます。彼には形式感に束縛される音楽より、自由な空想を羽ばたかせるスペースを与えられた曲目の方が相応しい。しかしフランソワの直感的な曲の把握が単なる我儘や気取りに終わらないのは、彼の閃きが天才的な魅力に溢れているからで、ドビュッシーの作品に内在する高度に音楽的な可能性を限りなく引き出していく能力は流石。
「前奏曲」に関して言えば、導入部の引き込まれ方が他のピアニストとは全く違います。月並みな言い方ですが、心臓をわしづかみにされます。はじめの五和音で心臓まで響いてきます。こんな演奏、他のピアニストでは聴けません。それほど演奏に深みがある。常に身近に感じているのに、到達地点は手の届かないはるかむこうにある。楽譜通りに弾くだけでは決して人の心を揺さぶる演奏はできないことを確実に感じさせてくれる一曲です。
国内盤、帯付き
盤面少しすれありますが再生問題無し
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