小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ 3』(ハヤカワ文庫)初版本

「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ 3」 小川 一水 #小川一水 #小川_一水 #本 #日本文学／小説・物語 発売日に嬉々として買った直後に別の本屋でサイン本を見つけてしまいダブりになってしまい、そのまま保存されていたものです。 もちろん初版です。ブックカバーをつけていたので、状態はほとんど新品同様です。 申し訳ありませんがブックカバーは付属しません。 【出品はサイン本ではありません！！】 『天冥の標』の作者、小川一水氏が贈る「銀河疾走百合SF」の3作目です。1,2を読んでないとちょっとわかりにくいかも。 百合を書くためのSFというのが私の総評ですが、そのSFが爽快かつ雄大で、また考察しがいのある世界観となっており、百合はさておきSFとしてもオススメです。ガス惑星の軌道上で生活する開拓使たちの末裔の生活がすごく克明に掘り下げられていて、説得力がめちゃくちゃに高い「地に足の付いたSF」が1作目の特徴でした。 2作目もそれを引き継いではいますが、3作目に当たる今作は、舞台が移った関係で、そこまで作中世界の生活などには描写は割かれていなく、むしろ主人公二人の奮闘や世界観の奥の謎に迫るものとなっています。より主人公二人について掘り下げるものとなっているので、必然的に百合の占める割合が増量しています。 百合の方は主人公二人ともとても魅力的で活き活きとしておりそちらも楽しめます。前作までももちろんそうですが、今作は特に焦点が二人に合っているのでなおさらです。 これまでは同性婚を認めない旧き因習に反発し続ける百合だったのですが、今作からは旧き因習を捨て、見知らぬ世界で二人で力をあわせて奮闘するという、それはそれで美味しい百合を楽しめます。さらに、最後に待ち受ける真実が、このカップリングの存在を一段上に押し上げるもので、急速に観念的な百合にシフトしていくのですが、それは次作のお楽しみですね。 と、まぁおすすめの本なので、読む用と保存用として2冊持っていても仕方がないので布教用として出品します。 出品する本はサイン本ではないので注意してください。サイン本ではありませんが、初版本はすぐ手に入らなくなるかと……それほどに力のある作品です それでは、よろしくお願いいたします