CANNONBOLL ADDLERLEY 　キャノンボール・アダレイー　 PRESENTING CANNONBALL　国内盤

本盤は弟のナット・アダレイ(tp)を含む２管クインテットで製作された。今の耳では、けっこうおっとりした仕上がりだ ほんのりラテン風味をまとい、派手な弾けは無くあっさり。 サックスのアドリブは流麗だが、大人しい。以外は キャノンボールのオリジナル 曲。そのスタンダード、のとたん、音像が ムーディに流れる。いかに彼 のオリジナルが乾いてたか、アルバムを聴き進めたら実感する仕組み。 この年３月にチャーリー・パーカーが死去。当然、 キャノンボールも意識してたはず。本盤での演奏は、ビバップほど 曲芸的なスピードや勢いはない。もっとロマンティックで メロディアスなアプローチだ。 ビバップからハード・バップへ。世代交代がパーカーの死で文字通り行われ、 キャノンボールはのびのび吹いている と言うのはこじつけにすぎる しかし新たな音楽の始まりなのは確か。 緊張感から歌心へ。ビバップ的な、 多めに配置して 寛ぎと余裕あり。 もろにハード・バップなゆとりを感じさせる楽曲だ。 一曲づつも長い。７～１０分かけてじっくりソロを回した。この点も大きな方法論の変換といえる。もちろんSPからLPへ 、録音時間の長短も影響した話だ アルバムの印象は地味。しかしビバップの終焉を無理やり投影して、妙な感慨を 覚える聴き方もできる。 おしゃれなジャズ、と気軽に楽しむのもいい。 1 Spontaneous Combustion 2 Still Talkin' To Ya 3 A Little Taste 4 Caribbean Cutie 5 Flamingo