極美本・焼失前の雄姿！ 週刊名城をゆく『首里城』2004 世界遺産 琉球王国 沖縄万国交易 清国 薩摩藩 グスク 聞得大君 尚氏王統 那覇 名護

平成１６年（2004）に、小学館から出版された名城をゆくシ リーーズ２６号「首里城」（定価・５６０円）である。 全ページ・カラーグラビア仕立てとなっている。城の構造や 規模、縄張り、築城秘話、ゆかりの武将の物語などのさまざま な内容は、貼付写真の具体的な目次の詳細から御想像して下さ い。 【本書について】 ちょうど１０年前、ＮＨＫ・ＢＳ時代劇『テンペスト』が大 プレイクした。仲間由紀恵演ずる真鶴＆孫寧温が、琉球王国末 期の動乱の世に、時に男に変身し役人として薩摩藩や清国と渡 り合い、最後は才媛の女性として王宮を守り抜く波乱万丈なド ラマであった。 共演者も豪華で、浅倉雅博（谷原章介）喜舎場朝薫（塚本高 史）聞得大君＆真牛（高岡早紀）徐丁垓（ＧＡＣＫＴ）オバァ （平良とみ）大勢頭部（かたせ梨乃）国母（八千草薫）孫嗣志 （奥田瑛二）らであった。このドラマでは、首里城で数多くの 撮影がなされており、そのシーンは今も私の脳裏に焼きついて いる。しかし、その雅びな首里城は、令和元年（2019）１０月 ３１日未明の電気経路の不測な大火災で、正殿と北殿、南殿が 全焼した。歴史的には５度目の焼失である。首里城は、日本本 土の城郭に比べ、いま一つ人気がなかったので、書籍の種類も 発行部数も少なかった。さらに、本書のように、大きなカラー 写真が多く所収されているものは、かえって稀少価値が高くな った。今や本書は、東京の古書店でも入手困難であり、かなり の高値がつけられている。 【琉球王国について】 日本では鎌倉時代末期から、室町時代初頭、沖縄には山北、 中山、山南という三つの小国家が出現した。それぞれに国王が 存在した。その後、日本が勘合貿易をしていた室町中期になる と、中山王の尚氏が他の二カ国を平定して統一王朝を樹立した。 これが琉球王朝の始まりである。中山王は、中国皇帝の名から 派遣される冊封使によって冊封され、琉球の属国統治はその後 ５００年間は存続した。 時は流れて、幕末には、琉球は薩摩藩と清国との双方の支配 を受けながらも、琉球の統治を有した。明治維新後の廃藩置県 でも、明治政府は王国体制を存続させた琉球藩とし外務省の管 轄となった。その後、琉球藩を廃して沖縄県に日本はしようと したが、琉球側の執拗な抵抗と清国の強い抗議のために、実現 できなかった・・・。 【首里城】 現在の沖縄県那覇市首里当蔵(に、首里城はある。琉球王国 時代の王宮にあたり、東西最長約４００メートル、南北最長約 ２７０メートル、全体に楕円形の城域を持つ。面積４万６１６ ７平方メートルの規模がある。この城郭は、堅牢な石垣で囲ま れていた。外郭に四つの石造拱門（アーチ門）、内郭に八つの 門があり、内部には正殿や多くの施設が建ち並んでいる。有名 な守礼門は、首里城に至る第二の外門にあたる。１５世紀初期 に、尚巴志の手でこの城郭は整備された。以後、４度の火災な どで焼失したが、そのつど再建され、王国の政庁としての役割 を果たした。 明治１２年（1879）、日本政府の命により国王尚泰が首里城 を明け渡し琉球王国は終止符が打たれた（琉球処分）。その後 、 熊本鎮台支配下の沖縄分遣隊の営所となった。首里城は、廃城 から４０年で荒れていたが゛大正１２年（1923）伊東忠太らの 尽力で大修築が行われ、その二年後に国宝に指定された。 太平洋戦争中の1昭和１９年（1944）、敗色濃厚迫り来る沖縄 決戦を 前に日本軍の司令部壕がその地下に作られた。だが、 翌年の米 軍の艦砲射撃と空爆撃を受け全壊した。 戦後、昭和２５年米国の肝煎りで、跡地に琉球大学が誕生し た。昭和４７年、沖縄が米国から返還されて国指定史跡となっ た。その後、琉球大学は移転し、昭和６１年から正殿、城壁 、 城門の復原工事が進められ、平成４年（1992）の沖縄海洋博覧 会記念公園とあわせて国営沖縄記念公園が開園した。首里城一 帯も首里城公園となった。その後、歴史的な建造物再建や庭園 整備が随時なされた。 【本書のおもな登場人物】 ●尚巴志 ●尚円 ●尚泰久 ●百十踏揚 ●尚真 ●島津義久 ●射名親方 ●尚寧 ●ペリー提督 ●聞得大君 ●蔡温 ●向象賢 ●園比屋武御嶽石門 【城と城下町・周辺城砦紹介】 ●名護城 ●南山城 ●大城 ●座喜味城 ●勝連城 ●大里城 ●玉城 ●具志川城 ●浦添城 ●糸数城 ●中城 【事件・史跡・その他】 ●琉球王国 ●ペリー来航 ●陳舜臣の『琉球の風』 ●世界遺産 ●識名園 ●斎場御嶽 ●玉陵 本の状態は、かつて新品購入した個人所蔵の「美本」ですが、 あまりに神経質な方は御遠慮して下さい。発送はゆうパケット で、送料は当方が負担いたします。