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遊平の旅（毎日新聞社）／青野聰

本、雑誌、コミック文芸日本文学日本文学全般

價格

¥ 500

日本國內運費賣家承擔

發貨地京都府

發貨週期2〜3 日發貨（僅供參考）

物流保障有

店鋪

Clyssaのレコード＆本屋さん

評分

345

1992年2月25日発行。「今日もまた胸に痛みあり、死ぬならばふるさとに行きて死なむと思ふ」（石川啄木『一握の砂』。　本書30ページより）女は暑いさかりに、胸を病みながら子を産んだ。女の名は、居郷綾香。残されたいのちを吸い出すように出産した母は、日毎に衰弱し、22歳の若さで生後9ヵ月の子の頭を撫でながら、永遠にこの世から消え去った。「ありがとう遊平、かわいがられるようになるのよ」という最後の言葉と、さらに3本の映画に合計7分27秒出演したという記録を残して。こね鉢をゆりかご代わりにして育つことになる、この子の名は、居郷遊平。こね鉢は、味噌や胡麻を擦り潰したり台所でどっしりとした安定感を醸し出すが、ゆりかごのような構造ではないので、水の流れに浮いてしまえば、そこから船のように漂流してしまうこともある。早逝した母が古い映画フィルムのなかに確固とした足跡を遺していたのと対照的に、子は安定感を保ちながら漂流の旅が宿命のように待ち受けている。読者は、その物語の足取りに合わせるような旅の記憶を心に残し、自らの人生と重ね合わせることになるかもしれない。青野聰は、1943年7月27日生まれ、東京都出身の小説家です。 1966年に早稲田大学第一文学部中退後、ヨーロッパや北アフリカ諸国を放浪した後に、1971年『早稲田文学』誌上で作家デビュー、『母と子の契約』が1979年の第80回芥川龍之介賞の候補となり、『愚者の夜』で同年7月発表の第81回芥川賞を受賞しました。本書は、毎日新聞（夕刊）において、1990年3月12日から1991年6月6日まで連載されたものを一冊にしたものです。経年による色褪せとシミがありますが、それ以外は美品です。

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