ピーター・ガブリエル／プレイズ・ライブ

1983年の作品。 ピーター・ガブリエルは、1950年2月13日生まれ、英国出身のミュージシャンです。 今作はジェネシス時代を除けば、彼にとって初のライヴ・アルバムであり、通算5枚目のアルバムになります。 プログレッシヴ・ロック・バンド、ジェネシスの元メンバーにして音楽的リーダーであり、ステージでは化粧と仮装をして演劇的パフォーマンスをするボーカリストでフロントマンだったガブリエルも、サード・アルバムあたりからポスト・パンクやニュー・ウェイヴのセンスを大々的に取り入れ、アパルトヘイトの抗議運動により殺害された南アフリカの活動家スティーブ・ビコを追悼する『ビコ』（全英38位）をシングル・カット曲に選ぶなど、自分の周囲の社会に対する具体的なメッセージを発するようになりました。 そして1982年に発表された4枚目のアルバムでは、アフリカン・ビートを響かせる太鼓奏者たちの観察や、現代白人社会に圧倒されるアメリカ先住民が経験した恐怖と苦痛についての考察など視野が広がり、世界各地の所謂ワールド・ミュージックからの影響を大きく受けるようになり、シングル・カットされた『ショック・ザ・モンキー』は全米29位、全英58位になるなど、商業的な面でも成功を収めています。 そして今作のジャケットを飾るのは、ジェネシス時代からガブリエルを撮り続けてきたカメラマン、アルマンド・ガロによる、化粧をした彼の顔のアップのポートレートですが、そのキャリアにおける音楽性の変化から、逆にこれでジェネシス時代の自分とは完全に離れようとする意志を感じます。 そんなキャリアの分岐点らしく、今作は彼の初期の見事に総括した作品になりました。 今作は、アメリカ中西部で行われた4つのコンサートからレコーディングしたものにオーバーダビングを加えたものですが、ステージ・パフォーマンスの新鮮さを保ったまま、彼の内面の変化がもたらしたエモーショナルな親密さが、各楽曲に鋭く深い響きを与え、彼の最大のヒット曲とアルバムの主要曲のほとんどが、1983年の時点でのベストなパフォーマンスとして表現されています。 国内盤なので、ライナーノーツ・英詞は付属しています。 帯はライナーノーツのスリーブと一体になっています。 経年により、白い紙の部分にシミが少しだけあります。 それ以外は美品です。