1978年の作品。
チープ・トリックは、ギタリストのリック・ニールセン、ベーシストのトム・ピーターソン、リード・ボーカリストのロビン・ザンダー、ドラマーのバン・E・カルロスによって、1973年に結成された、米国イリノイ州ロックフォード出身のバンドです。
バンドは、1967年にニールセンが、地元のバンド、ボー・ウィーヴィルズ(The Bo Weevils)で活動していたピーターソンと、新しいバンド、ヒューズ(Fuse)を結成し、カルロスとザンダーをバンドに加入させ、1973年8月15日にバンド名をチープ・トリックに決定しました。
このバンド名は、英国のバンド、スレイドのコンサートに参加した際に、ピーターソンがスレイドのことを「本に載っているあらゆる安っぽいトリック(every cheap trick in the book)」みたいだと評した、風刺の効いたユーモアに由来しています。
そしてバンドは1976年初頭にはエピック・レコードとレコーディング契約を締結し、ジャック・ダグラスのプロデュースでファースト・アルバムを発表しますが、セールスは全米207位と惨敗に終わりました。
同年に発表されたセカンド・アルバム『蒼ざめたハイウェイ』は、プロデューサーがトム・ワーマンに代わり、前作のような生々しくヘヴィなアタックを取り除き、ラジオで聴けるような親しみやすい感触のサウンドに仕上げられ、全米73位まで上昇を果たしますが、同時に日本のオリコン・チャートでも30位となるヒットを記録し、日本でのチープ・トリック人気に火が付くきっかけになりました。
そして発表されたのが、全米48位という好セールスを記録した今作です。
巧妙にポップなプロダクションであっても、バンドそのもののサウンドはアルバム全体を通してワイルドでパワフルであり、オープニングを飾る『サレンダー』は、親と子供の世代間のヘヴィな分裂をポップなアレンジに乗せ、ロイ・ウッドのカバー曲『カリフォルニア・マン』は、これから始まるパーティの凄まじい号砲であり、彼らの初期のキャリアの集大成であると同時に、次なるステップに続く作品になっています。
国内盤のため、ライナーノーツ・英詞・対訳は揃っています。
帯はありません。
経年により、色褪せやシミが少しだけあります。
それ以外は美品です。