「みんなが手話で話した島」
Groce Nora Ellen / 佐野 正信
定価: -
1991年11月11日初版発行。
帯付き、初版本。
本文にはピンクのマーカーで線引きをしたところが4ページ、ページの折れ跡が5カ所あります。
背表紙にヤケ、カバー全体的に薄汚れ、三方に経年によるシミが見られます(写真参照)。
内容紹介
あの人たちにハンディキャップなんてなかったですよ。ただ聾(ろう)というだけでした」(本文より)
アメリカ・ボストンの南に位置するマーサズ・ヴィンヤード島。今やオバマ元大統領ら多くの著名人が別荘を構える風光明媚な観光地として知られるこの島では、20世紀初頭まで、遺伝性の聴覚障害のある人が多く見られた。ここでは聞こえる聞こえないにかかわりなく、誰もがごく普通に手話を使って話していた。耳の聞こえない人も聞こえる人と同じように育ち、社交し、結婚し、生計を立て、政治に参加した。
文化医療人類学者である著者グロースは現地に赴き、島民みんなが手話を使ってくらしていた時代を知る多数のインフォーマント(情報提供者)の証言を丹念に採集し、過去の科学的研究資料とオーラル・ヒストリーとを照らし合わせながら、島の社会文化の来歴を解き明かし、当時の生活やコミュニティを活写する。
「障害」「言語」そして「共生社会」とは何かについて深く考えさせる、文化人類学者によるフィールドワークの金字塔。
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