初版第1刷。帯つき、とてもきれいな本です。
「春雷」
葉室 麟
定価: ¥ 1600
反響を呼んだ『蜩ノ記』『潮鳴り』に続く羽根藩シリーズ、待望の第三弾!
その心、天さえ知らず――
怨嗟の声を一身に受け止め、改革を断行する新参者。
鬼と謗られる孤高の男の想いとは?
恐れず、ぶれず、ためらわず。ただ一心に大願を遂ぐ――
鬼隼人、許すまじ――財政難に喘ぐ豊後・羽根藩には、怨嗟の声が渦巻いていた。十五
年前に仕官、やがて御勝手方総元締に任じられた多聞隼人が、藩主・三浦兼清を名君と
成すために、領民家中に激烈な痛みを伴う改革を断行したためであった。そんな中、誰も
成し得なかった黒菱沼の干拓の命が下る。一揆さえ招きかねない難題であった。それにも
拘わらず、隼人は家老に就くことを条件に受諾。工事の名手で〈人食い〉と呼ばれる大庄屋・
佐野七右衛門、獄中にあった〈大蛇〉と忌み嫌われる学者・千々岩臥雲を召集、難工事に
着手する。だが、城中では、反隼人派の策謀が蠢き始めていた……。
著者のことば
「一粒の麦もし地に落ちて死なずば、ただ一つにてあらん、死なば多くの実を結ぶべし」
そんな思いをこめて書きました。
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