ご覧頂きありがとうございます。
部屋に本があふれてしまい、
断捨離するために販売することにしました。
「人生をやり直したい」一念発起した青年がたどり着いた場所とは――。
不思議な余韻を残すショートショート12編。
乞食王子、白雪姫と七人の小人、はだかの王さま、赤頭巾ちゃん、シンデレラ、そしてピーター・パン……。おとぎ話の主人公たち総出演の愉快なパロディ「なりそこない王子」をはじめ、深夜の道路を走る霊柩車が拾った死体をめぐるてんやわんやの騒動を描く「死体ばんざい」など、時間と空間を超えて、現実と非現実のはざまでくりひろげられる12編の不思議なショートショートを収録。
目次
死体ばんざい
ものぐさ太郎
合法
なりそこない王子
エスカレーション
ミドンさん
魅惑の城
善良な市民同盟
新しい政策
そして、だれも……
収容
流行の鞄
あとがき
挿絵 和田 誠
本書収録「なりそこない王子」より
白雪姫は例によって鏡に問いかける。
「鏡よ鏡。いちばん美しいのはだれなのか、教えておくれ」
「ここではあなたでございます。だけど、シンデレラ姫は、あなたの千倍も美しい」
「なんですって……」
予期しなかった答えに、白雪姫は取り乱した。こんなはずはない。しかし、鏡は正直なはずだ。鏡がこわれたのかもしれない。姫は鏡の修理を命じたが、故障は発見できず、また望むような性能に戻りもしなかった。
「いったい、シンデレラって、どんなやつなの。あなた、調べてよ」……
著者について
星新一(1926-1997)
東京生れ。東京大学農学部卒。1957(昭和32)年、日本最初のSF同人誌「宇宙塵」の創刊に参画し、ショートショートという分野を開拓した。1001編を超す作品を生み出したSF作家の第一人者。SF以外にも父・星一や祖父・小金井良精とその時代を描いた伝記文学などを執筆している。著書に『ボッコちゃん』『悪魔のいる天国』『マイ国家』『ノックの音が』など多数。
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