『私は貝になりたい』(わたしはかいになりたい)は、元陸軍中尉・加藤哲太郎の手記「狂える戦犯死刑囚」の遺言部分をもとに、橋本忍の脚本で制作されたテレビドラマおよび映画である。ストーリーは橋本忍の創作で、架空の物語である。
TBSテレビの前身、ラジオ東京テレビ(KRT)が1958年に制作したテレビドラマである。主演はフランキー堺。テレビ放送黎明期に制作され大きな反響を呼び、“ドラマのTBS”の礎となった作品として、日本のテレビ史に語り継がれている。
1994年には、所ジョージ主演でリメイクされた。1959年と2008年には劇場版が制作・公開されている。劇場版は1959年版が1958年版ドラマに引き続きフランキー堺、2008年版は中居正広(SMAP)がそれぞれ主役を務めた。映画の配給はいずれも東宝。
2007年には日本テレビで、加藤の手記にスポットを当てたテレビドラマ『真実の手記 BC級戦犯 加藤哲太郎「私は貝になりたい」』が放映された。同じ題名だが本項の作品とは別物である。
2008年11月22日公開
テレビドラマの歴史に伝説を刻んだ名作「私は貝になりたい」をリメイクした感動的な人間ドラマ。戦犯となり死刑を宣告される小市民を見つめながら、戦争がもたらす不条理や哀しみを切々と描き出す。フランキー堺が演じた戦争に翻弄(ほんろう)される主人公に挑むのは、『模倣犯』などの中居正広。共演に「トリック」シリーズの仲間由紀恵や、伊武雅刀、上川隆也、石坂浩二ら実力派が名を連ねる。家族愛や人間の心の機微をより丁寧に掘り下げたストーリーが痛切に心に響く。
本土防衛のために従軍していた清水豊松(中居正広)は、終戦を迎え家族の元へと帰ってきた。平凡でも幸せな家族との日々を営もうとしていた矢先、B・C級戦犯として逮捕されてしまう。豊松の銃剣がアメリカ兵捕虜の腕をかすめたというのだ。それだけのことにもかかわらず、裁判で下されたのは死刑の宣告だった。
監督 福澤克雄
出演者 中居正広(当時SMAP)、仲間由紀恵、柴本幸、笑福亭鶴瓶、石坂浩二ほか