デイヴ・スチュワート／デイヴ ・スチュワート＆スピリチュアル・カウボーイズ

1990年の作品。 デイヴ・スチュワートが、アニー・レノックスと出会ったのが、1976年。 2人は恋愛関係となり、同時にキャッチ（The Catch）というパンク・ロック・バンドを結成し、さらにそこからツーリスツ（The Tourists）というバンドに移行し、1979年にはダスティ・スプリングフィールドのカバー『2人だけのデート（I Only Want to Be with You）』が全英チャート4位、全米チャート83位となる成功を収めます。 しかし、彼はもっとエレクトロニック・ポップやアヴァンギャルドの要素を含んだ実験的なサウンドを志向するようになり、当時台頭していたビデオ・クリップを利用したイメージ作りのために、（既に恋愛関係は終わっていましたが）ボーカル担当のレノックスを誘って、新たなバンドを結成します。 これが、あのユーリズミックスでした。 そして彼らが、1980年代において世界的な人気を得ることに成功したのは、誰もが知るところです。 そして、ユーリズミックスの活動を一時停止するかたちで、1990年代の幕開けのように発表されたのが、このデイヴ・スチュワートのソロ・アルバムです。 なるべく少人数のメンバーで固めるバンド形式のスタイルを取り、パーソネルを見ると、ドラムス担当が、プログラミングも含めて2人いるのが興味深く、このあたり過去のユーリズミックス時代でも、エレクトロニック・ポップの無機質なビートから、ブラック・ミュージックの影響を受けたソウルフルなファンクのリズムまで取り入れるようになった変化が、そのまま残っているようです。 『Soul Years』『Mr. Reed』『Jack Talking』などの曲では、90年代のブルー・アイド・ソウル的な香りが漂い、『This Little Town』『Love Shines』などは、ゴスペルっぽいフレーバーを感じ、『Heaven and Earth』『Party Town』はギターやホーンの音がダイナミックに躍動するファンキーな曲もあり、聴く者を飽きさせません。 米国輸入盤のため、英詞が記載されているのみで、日本語関係の資料はありません。 経年により、紙の部分に少し黄ばみがありますが、それ以外は美品です。