ヴィラ=ロボスはブラジルの20世紀を代表する作曲家の一人でもあります。
彼自信もギターを弾いたので、ギターの響きや特性を活かした作品を書き残しました。「12のエチュード」はヴィラ=ロボスの代表的なギターのための作品です。
演奏上の右手左手の技術を向上させるのみならず、ギター曲としての音楽的完成度が高く、音楽的表現を勉強するのにとても役立つエチュードです。
しかし、既に出版された楽譜には、初稿当初よりミスプリから生じたと思われる疑念点が散見され、
またハーモニクスや繰り返しなどの表記の統一がされていないために、演奏者によって解釈が異なって演奏されている部分もあります。
ヴィラ=ロボス亡き現在は、不明点すべてを明らかにすることは不可能で、また最善の運指をつけるのは正直なところ難しいですが
できるかぎり表記に誤りがある部分は調べて、修正し
、左手運指はできる限り無理のない、ギター中級者の方にも弾きやすい運指を目指しました。
また、分かりやすいように工夫を加え、下記の如く変更しました。
●シャープ、フラット、ナチュラルが頻繁に出ないように、「念のため」として使われる臨時記号を使用するのはできるかぎりやめました。
このような場合、例外で臨時記号が必要なところは、括弧で囲んで記載しました。
●ハーモニクスの表記法
オリジナルのハーモニクス表記は従来譜面により異なる事もありましたが、わかりやすくするため、 ハーモニクス部分は◆で示し、弦(丸囲み数字)とフレットの位置を明示して、適切と思われる運指も書き足しました。
●発想記号などの日本語訳の追加
演奏者に曲のイメージや奏法を伝えるために書かれている発想記号、奏法を表す用語などに日本語訳をつけました。
●ページ数を減らしたレイアウト
「反復記号」を使って、ページ数を減らすレイアウトにしました。
●解釈が分かれる音符については、その旨注釈を入れました
できる限り運指を多く書きいれた本書で、クラシックギターの技術向上と、ヴィラ=ロボス の世界を堪能してください