盤共に非常に状態の良い中古でございますが、帯背に色褪せがございます。
SHM-CD仕様とは言えど旧盤音源でございますが、そもそもStyxのカタログが初CD化にあたりCD向けに音質調整が成された模様でございます。
古い音源でございますが、非常に良心的な音質でございます(オーディオによりけりでございますが..........................)。
また、ジャンル問わずリマスターが成される昨今ではございますが、
CDでマスターテープの音質を再現するにあたりマスタリングエンジニアが低音を強調し過ぎる、音の輪郭が角張り過ぎる、との指摘がございます。
旧規格のCDが高値を呼ぶ昨今ではございます......................................
何をか言わんや、でございます..............................................................
また、アナログ盤リリース時の初回限定特別仕様盤を紙ジャケットにて復刻したもので、非常に興味深い出来となっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは全盛期。
Dennis DeYoung(Key、Vo)、James”JY”Young(G、Vo、後にYoung/Hammer、James Young Group)、
Tommy Shaw(G、Vo、後にDamn Yankees、Shaw/Brades)、Chuck Panozzo(B)、故John Pannozo(Ds、Per)となります。
ゲストにSteve Eisen(Sax)、Ed Tossin(Horn)、Arnie Roth(Strings)の参加がございます。
(ショウ・ビジネス、スポーツのみならず)様々な人間模様を歌詞に描き出す中で「金銭や物欲の為に夢を諦めてはいけない」という
コンセプトを基に制作された前大傑作”Pieces of Eight”。
大傑作と誉れ高い”Crystal Ball””The Grand Illusion”で得た音楽的成果を持ち込んだ感があり、
またメインの三名の音楽性を上手く融合しそれぞれの個性を楽曲毎に強調・使い分けする感があり、
それが良いアクセントとなり、非常に躍動感が強い事が特徴で、Dennis DeYoungのミュージカル指向、James”JY”Youngのハード指向、
Tommy Shawのポピュラー/ハード指向が上手く融合したものとなっておりました。
ポピュラー系メロディアス重視は前作以上のもの。
コンセプト作にはテーマやコンセプトという言葉重視で音楽の魅力は二の次、最後まで興味を惹き付ける面の弱さが目立つものもございますが、
前作は一気に聴き通す事が出来るもの。
但し、前作同様に辛辣な歌詞が存在している事がミソでございました。
リリースすれば大好評。
ツアーも大好評となりますが、英国の異常に辛辣なメディアがこっ酷く酷評(.......何かねぇ~)した事でバンドは意気消沈。
音楽性の変化が行われる事となります..............................................
そして制作されたのがこの”Cornerstone”でございます。
今作では”バンドとそれぞれメイン三人のソロ個性という音楽性”へシフト。
バンドとしてのトータルの融合した音楽性という頂点の前作から幅を広げた感のある作風でございます。
穏やかさ・滑らかさが印象深いもの。
前作の大作主義的大仰さがこっ酷く批判された事が反省としてある模様(何かねぇ.......)。
起伏を残しながらもコンパクトさを指向した楽曲が揃います。
メロディアス重視は以前同様でございますが、ポピュラー感を強調した感があり、アレンジも穏やかに細かいものとなっております。
但し、メイン三名のソロ色を新生面の音楽性に指向した事もあり、Tommy Shawのポピュラー色のみならず、
フォーク/アコースティック色が強く感じられるものでもございます。
また、(ホーン奏者の参加があり)Dennis DeYoungの趣味色が色濃く出始めた感がございます。
何せ、メディアの批判は如何あれ(笑)大成功続きのStyx。
そもそもDennis DeYoungが目指し挫折しバンドの音楽性で叶えようとした”ミュージカル俳優”という夢。
商業的大成功からくる趣味性の自由があり、それがDennis DeYoungの脳裏に浮かんだ感がございます。
”Babe”等大ヒット曲も登場し、アルバム自体の出来を含め今作も大ヒット。
(後にDamn YankeesでかのJack BladesとTommy Shawが「”Babe、I love you”って情けない曲やってたよな~」
「アンタも”Sister Christian”ってアホな曲やってたじゃないか」とお互いを揶揄してステージで笑っておりましたが...
.....................Dennis DeYoungが激怒したとか..........困った親父共でございますが...............)
音楽性を修正したとは言え、バンドは順風満帆となります。
嘗て諦めた夢”ミュージカル俳優”が脳裏に浮かんだDennis DeYoung。
今作で自身の趣味性ある楽曲の実績を以てその夢をバンドで実現させるさせる為に、
以前とは異なるコンセプト・ストーリー作を企画する事となります...............................................................
バンドの音楽性融合の上でメイン三名の個性を強調・使い分けという音楽性から、
バンドの個性+メイン三名のソロ個性という音楽性に舵を切ったStyx。
徐々にバンド内に亀裂を生み、音楽路線を巡ってDennis DeYoung/Tommy Shawの対立を生む事となります...............................................
プロデュースはバンド自身(エンジニアは前作参加のRob KingslandにGary Loizzo)でございますが、非常に録音が興味深いもの。
迫力を出す為に音像を中心に集めているものの、立体感と躍動感を強調した前作に比べ非常に滑らかで穏やかな音造り。
コーラスのみならずドラム音にもアナログ的な厚みがありそこにステレオ的な広がりを加えており、また音の隙間を重視しており、
余計なオーヴァーダビングを控えた制作は前作同様となっております。
前作の大仰さを批判された事があるのでしょうか?
厚みのある音像と立体感に躍動感であれど穏やかな起伏、音の広がりのバランスが取れた優れた録音となっております。
アナログ録音時代のマジックを感じさせるものでございます。
この機会に是非。
注:発送方法は変更になる場合がございます。宜しく御願い致します。