展示即売会図録本 古マイセン磁器展 作品集 写真集 西洋陶磁器 栄光の19世紀 マイセン逸品 18世紀初期マイセン
オールドマイセン アンティークマイセン フィギュリン フィギュア
会期 2010年10月13日~29日
会場 日本橋三越本展美術特選画廊
56ページ
約30x21x0.6cm
フルカラー 93点
※会場限定
※絶版
本の出品です。やきもの作品ではありません。
作家の最上級品が販売されるデパート/百貨店個展は、
わずか7日間という短い会期の上、一部の上得意顧客・会場限定のみでしか入手できないものです。
大変貴重な、展示即売会の販売図録・個展カタログ写真集・作品集。
ヨーロッパ随一の名窯、万国博覧会など本展では華やかなりし19世紀の面影を現代に残す、
超絶技巧がこらされた飾り壺やポプリポット、飾り時計、燭台、フィギュリン/フィギュア/人形、動物の置物、
コンポート、飾り皿、テーブルウェアなど、
価格表はありませんが、数千万円~数百万円クラスを中心に、数十万円の小品まで名品ばかりをあつめての展示即売会。
さらに古い18世紀の初期マイセン作品も掲載。
本物真作93点の作品写真、主要な作品に解説を付したもの。
巻末にはマイセン窯の解説、マイセンの窯印13点の窯印陶印の変遷と解説も掲載した、
西洋陶磁器、マイセン磁器、西洋アンティーク、オールドマイセン、アンティークマイセン、骨董品などコレクター、
愛好家必携の大変貴重な資料本。
【主催者あいさつより】
18世紀初頭にヨーロッパにおいて初の硬質磁器の焼成に成功したマイセン窯は本年開窯300年を迎えました。
その長い歴史の中で19世紀から20世紀初頭にかけての作品は質、量ともに最も充実した時代であり、その時代的背景から、バロック様式やロココ様式が融合した逸品が次々と作り出され、現代では制作が困難な精緻で典雅な装飾が今なお世界の愛好家を魅了しております。
本展では、人気の高い人形や飾り壺、燭台をはじめ、テーブルウェアにいたるまで100余点の逸品を一堂に取り揃え展覧いたします。
時代を超えて今も人々を魅了するアンティークマイセンの世界をお楽しみ下さい。
【マイセンの勝利】武蔵野美術大学名誉教授 美術評論家 前田正明
ヨーロッパの長年の願望であった美しい東洋の磁器の焼成は1709年ベルリンからマイセンに逃れて来た若い錬金術師ベトガーによって達成された。そしてその一年後の1710年ザクセンの国王アウグストゥス「強王」はアルブレヒツブルク城内に王立磁器製作所を設立。マイセン窯は有名な「青い双剣」の窯印のもとでヨーロッパ屈指の名窯として広く世界の愛陶家の関心を集めた。以来300年、マイセンでは2010年これを記念する盛大な展示会がドイツ各地で催されている。その主要な展示ではドレスデンのツヴィンガー宮殿をはじめ、ケルンの応用美術館、ライプツィヒ市立博物館、エルベ河に沿って建つアルブレツブルク城、それにドレスデンの「日本宮」が知られている。それぞれの展示期間ではケルンが1月から4月まで、ライプツィヒでは3月から6月、もうひとつの「日本宮」では5月から8月までとなっている。この展示の一部は来年中に日本でも公開される予定である。
これらのドイツの展示とは別に、日本の日本橋三越本店では十数年前から毎年「19世紀マイセン逸品展」が催されている。これらのうち初期のケンドラーのあとを受けたフランスの彫刻家アシエを偲ばせる小彫象やバロック後期の優雅な婦人像、古典主義の農民、農婦の飾らない姿、それに今回出品作品の中に豪奢なチュリーンが二つあり、その一方のザクセンの王冠のある作品は19世紀の代表的な名器と呼ばれている。
今回展示されている作品はマイセン開窯300年展とは直接関係ないが、少なくとも今年の展示作品には現代わが国のマイセンの俊品を集めた貴重な作品群であり、同展の出席者には是非これらの一点でも手にしてほしいものである。
【作品解説】 一部紹介
神話文飾り壺 一対 高さ:各60cm
壺全体に描かれた四面の絵はそれぞれが朝と昼、夕と夜という一日の移ろいを象徴している。朝は晩の星を目覚めのヴィーナスとともに描き、昼は日輪とアポロが天空から光を照らす様子を描き、夕はモルヒウスが夢に誘う粉をまき、夜は弦月とルナが静かな夜の眠る様子を描いている。色使い、ハンドルの形など、絵以外の部分においても随所にマイセンの格調高さが表現された至高の作品。
王冠金彩風景文宝石箱 高さ:20cm
ザクセン侯国の王冠を頂点に配した、マイセンロココ様式の代表的作品。1738年頃にザクセン選帝侯アウグスト3世の紀マリア・ヨゼファのためにケンドラーによって制作されたのが始まりで、1850年頃にロイテリッツによって改めてデザインされ、本作のような豪華で美しい作品となった。王冠を高々とかかげ持つ子供は世継ぎを象徴し、紋章はザクセン選帝侯の家紋を表している。また、ツヴィンガー宮殿の門飾りに見られるように女性の胸像が作品両端を飾っている。作品胴部は全体が二重構造になっており、内側には貼花様式で白磁のバラが施され、外側には繊細な透かし彫りに加え、金彩装飾と花柄の貼花、港湾風景図が装飾されている。さらに、蓋の裏側にもエナメル彩と金彩で花模様が描かれているという手の込みようである。まさに、19世紀マイセンの技術の粋が集められた傑作である。
王冠金彩風景文蓋物 高さ:16cm
原型は1730年代、ケンドラーによって戴冠式のためにデザインされた。貝を伏せたような楕円八角形の蓋の部分にはザクセンを象徴する王冠と紋章が装飾されている。繊細な金彩装飾が見事で、白いバラの花の貼花が優雅さを引き立てている。また、正面からでは見えづらいが、正面のやや下の部分には単色で風景画が描かれており、細密に描写された海辺の建物や帆船が見る者を楽しませてくれる。荘厳さを感じさせるバロック様式の中に優雅なロココ趣味のエッセンスを取り入れた逸品。贈答用として使用された。
パート・シュル・パート飾り壺 一対 高さ:各22cm
淡いピンク地の胴部にバート・シュル・バート技法で絵付けを施した飾り壺。薄く溶いた磁土を塗り重ねて表現するパート・シュル・バート技法は、マイセンでは1878年に取り入れられるようになり、以降19世紀末にかけて、非常に芸術性の高い絵画的表現を完成させていくようになる。この作品でも、天使たちの翼や、細やかな花綱などの表現が秀逸である。また、周囲を飾る金彩とエナメル装飾も見事な出来栄えである。
神話文飾り壺 高さ:54cm
古代ギリシア風の器型に同じくギリシア神話風の絵付けを施した大型の飾り壺。青と緑を基調に、全体にくまなく施された装飾は、作品のサイズとも相まって圧巻の迫力である。台座上部の宝石に見立てた飾りや、両側についた豹の頭部など、細部も見逃せない、マイセン新古典主義の逸品。
瑠璃金彩人物文双耳飾り壺 高さ:40.5cm
産業革命以来、裕福な市民階級の台頭によって国内外問わず価値ある装飾品が求められるようになった。特に、瑠璃地にフランス宮廷画家ワトーの作風を手本にした雅園図を描いたこのような飾り壺が非常に好まれた。作品の両端には空の覇者と地上の王が合体した幻獣グリフォンが飾られている。紀元前の中近東から始まりヨーロッパに至るまで、グリフォンは家と財物の守り神として伝えられてきた。原型制作は1876年ロイテリッツによる。
飾り時計燭台3点セット 四季 時計高さ:48.5cm 燭台高さ:各49.5cm
四季を子供の姿に擬人化した寓意性に富む作品。4人の子供たちそれぞれが、四季を象徴する品々を手にしている。花綱を持った春、収穫する麦束を抱える夏、ぶどう酒で乾杯する秋、毛皮のケープをまとい火にあたる冬。寓意に富んだ擬人化はマイセン作品にはたくさん見られるが、生き生きとした愛らしさを感じさせてくれる逸品である。
コンポート 四季 高さ:51cm
19世紀中頃、過去の歴史を振り返ろうとする歴史主義の高まりから、マイセンにおいても18世紀に人気を博したデザインが注目されるようになった。本作品のデザインを担当したロイテリッツも当時のニーズに応えるように、ケンドラー時代の作品をもとにして、より装飾的にアレンジした豪華な作品を生み出していった。全体を覆い尽くすように装飾された花々や四季のよろこびを表現する子供達を見ていると、センターピースとして当時の貴族の食卓を彩った華やかな情景が目に浮かぶようである。
フィギュリン〈ガーデナー〉一対 高さ:各50cm
ケンドラーの死後、フランス人主任成形師アシエに学んだシェーンハイトの1767年のデザイン。新古典主義を打ち出したシェーンハイトはケンドラーの時代とは異なる作風を目指した。柔和な温かさを感じさせる表情と仕草、衣服の柔らかな着皺、コートやエプロンの折り返し、緻密に考えられた素晴らしい意匠で裕福な人々の生活を表現した作品である。
フィギュリンセット 五感 高さ:視覚10.35cm 聴覚10.62cm 味覚10.42cm 嗅覚10.51cm 嗅感覚11.36cm
人間の五感を象徴的に表した、「五感」の女性立像セット。それぞれの感覚と関連付けた持ち物と動物で、目には見えない「感覚」を表現している。「聴覚」はリュートと耳のきく鹿、「視覚」は望遠鏡を覗き、目のいい鷲。「味覚」は果物と食いしん坊の猿、「嗅覚」は花と犬、「触覚」は犬に手と足を咬まれる女性と喧嘩する子供達。足元にはおのおのの感覚器がさりげなくついていて、鑑賞者をぎょっとさせるしかけもある
(パゴダ) 一対 高さ:各18cm
パゴダとは東南アジアにある仏塔のこと。原型はアウグスト<強王>の日本宮殿を飾るため、1730年頃ケンドラーによって制作された。仏様のような形をしているが、宗教的な意味を表わさず、布袋様をモチーフとしている。釣り目に福耳、ふくよかな体は豊かさを表わし、口元は微笑んで舌を出している。頭部、両手、舌は分銅によって動くように作られている。
瑠璃金彩鳥文ティーセットポット 高さ:12cmトレイ幅:45cm
大きなトレイにポット、ミルクジャグ、シュガーボウル、カップ&ソーサーがセットになったセットは、ワトー風の恋人図や風景図、花絵など様々あるが、鳥絵だけのセットというのは非常に珍しい。エキゾチックな異国の鳥島ではなく、マイセンの得意とする様々の家禽や身近な野鳥を絵付けした作品。揃いのスプーンまであるのは、稀なことである。
フィギュリン〈トルカン〉高さ:47cm
原型制作は1919年、ユーゲントシュティール期のマイセンを代表する動物彫塑家、パウル・ヴァルターによる。15歳からマイセンで修業を始めたヴァルターは、動物学などはほぼ独学であったにもかかわらず、鋭い観察眼で対象となる動物たちの魅力を引き出している。どの動物たちも、躍動感を感じさせ、すぐにヴァルター作とわかる個性を持っている。
ほか
【マイセンの窯の歴史】
16世紀のヨーロッパ社会では、純白の地肌を持つ東洋の硬質磁器は人々の垂涎の的であった。東洋磁器の大コレクターであるザクセン侯アウグストゥス2世は磁器の制作に情熱を傾け、錬金術師であるベットガーに開発を命じた。1709年ペットガーはこれに成功し、1710年エルベ河畔のマイセンの地にヨーロッパ初の磁器工場が設立され、それ以降ヨーロッパ随一の名声を今日まで保ち続けている。
特に最盛期は18世紀中期で、絵付師のヘロルト、原型制作者のケンドラー、キルヒナー等が活躍した。
初期の絵付は中国の五彩や日本の柿右衛門写し、又以降はロココ風の装飾的な主題の作品が多く、磁器人形と共にマイセンの評価を高めている。
【マイセン窯印の変遷】
1720年~ 窯印を年代順に13点掲載
【掲載作品】一部紹介 全作品に寸法記載
神話文飾り壺 一対
王冠金彩風景文宝石箱 ケンドラー
王冠金彩風景文蓋物 ケンドラー
パート・シュル・パート飾り壺 ケンタウロスとニンフ
パート・シュル・パート飾り皿
パート・シュル・パート飾り壺 一対
神話文飾り壺
瑠璃金彩人物文双耳飾り壺 ロイテリッツ
飾り時計 ギリシア女性像
飾り時計燭台3点セット 四季
コンポート 四季 ロイテリッツ
コンポート 音楽
コンポート 音楽
スノーボール鳥飾り壺
スノーボール鳥飾り壺
花飾りポプリポット 一対
花飾りポプリポット
フィギュリン ガーデナー 一対 シェーンハイト
フィギュリン 犬と遊ぶ子供達 一対
フィギュリン 花飾りのダンス 一対
フィギュリン 葡萄絞り シェーンハイト
フィギュリン ワイン樽と男女
フィギュリン 葡萄の収穫
フィギュリン ワインの楽しみ
フィギュリン 白馬にまたがるエカテリーナ
フィギュリン ソファの男女
フィギュリン 扇を手にした男女
フィギュリン 若い母親
フィギュリン カードテーブルの女性
フィギュリン 人形で遊ぶ女の子 一対
フィギュリン 五感 視覚
フィギュリン 五感 味覚
フィギュリン 五感 触覚
フィギュリン 五感 嗅覚
フィギュリン 竹馬遊び
フィギュリン シーソー遊び
フィギュリン 優しい母
フィギュリン 歌う少女にさくらんぼをぶつける少年 一対
フィギュリンセット 五感 視覚 聴覚 味覚 嗅覚 嗅感覚
フィギュリン 三美神とキューピッド
フィギュリン シャリオに乗るヴィーナス
フィギュリン シャリオの上の女神
フィギュリン 女神と天使
フィギュリン エウロパ
フィギュリン 豊穣大地の母
料理をする男女
花飾り染付燭台 一対
燭台 一対 羊飼いの男女
フィギュリン サルの子守
フィギュリン ハートを探す天使
フィギュリン ダックスフンドと天使
フィギュリン 絵画の天使
フィギュリン 天文学の天使
パゴダ 一対
風景文カップ&ソーサー 18世紀初期マイセン
伊万里様式飾り皿 18世紀初期マイセン
伊万里様式深鉢 18世紀初期マイセン
戦争文ティーボール&ソーサー 18世紀初期マイセン
狩猟文ティーボール&ソーサー 18世紀初期マイセン
花鳥文深鉢 18世紀初期マイセン
フィギュリン フローラ 18世紀初期マイセン
フィギュリン 五感の子供達 18世紀初期マイセン
フィギュリン 魚をとる子供 18世紀初期マイセン
フィギュリン ハンティングドッグ 18世紀初期マイセン
瑠璃金彩鳥文ティーセット
瑠璃金彩人物文エキュイエル
瑠璃金彩人物文三足蓋物 一対
飾り皿 花と果実
花飾り壺 一対 花と果実
鏡 花飾りとキューピッド
花飾り皿
瓢箪型花飾り壺 一対
花飾りバスケット
透し彫り飾皿 6枚セット
コックの天使
花文デザートセット
コンポート 三人の女性
コンポート 天使
コンポート 子供達
フィギュリン カウチでくつろぐ女性
フィギュリン ネコとたわむれる少女 ヒルト教授
フィギュリン 象使いと像
フィギュリン ネコの親子
フィギュリン トルカン パウル・ヴァルター
フィギュリン ペキニーズ
フィギュリン サイ
フィギュリン うさぎ
フィギュリン ミミズク
瑠璃金彩風景文額皿
バスケット地人物文額皿
神話文レリーフ額皿
天使文額皿
陶板 三美神と天使