御存知!名手Jim Gordon他参加 Derek & the Dominos 大傑作「いとしのレイラ」 MFSL社SACD紙ジャケット仕様限定盤 輸入盤未開封新品でございます。
現在主流で情報量重視のフラットマスタリング方式の先駆者で知られる「Mobile Fidelity Sound Labo社」によるSACD仕様盤でございます。
情報量重視でございますがアナログ盤の音質を意識した感があり、非常に良心的な音質となっております。
アナログにせよ、CDにせよ、SACDにせよ、ハイレゾにせよ、マスターテープの再現が非常に重要なテーマでございます。
オーディオファンから「アナログ盤が一番マスターを再現しているのではないか?」との指摘が挙がり、
嘗ての故George Marino等の名マスタリング・エンジニアが手掛けたアナログ盤が高値で取引されるここ昨今でございます。
されどこちらはスクラッチノイズがございませんが...............................................................................
内容は言わずもがな。
ラインナップは通受け名手揃い、Eric Clapton(Vo、G、ex-Yardbirds、John Mayall & the Blues Breakers、Cream、Blind Faith)、
Bobby Whitlock(Key、Vo、ex-Delaney & Bonnie & Friends)、
Jim Gordon(Ds、Piano、ex- Delaney & Bonnie & Friends、後にTraffic、Jack Bruceセッション、Joe Cocker、George Harrison他)、
Carl Radle(B、Per、ex-Delaney & Bonnie & Friends、後にEric Claptonソロ・バンドに参加)となります。
またゲストとしてかの天才名手故Duane Allman(G、The Allman Brothers Band)となります。
Yardbirds~John Mayall & the Blues Breakers~Cream~Blind Faith初期セッションと続いた演奏エゴを全面に打ち出した”Guitar Hero”的な存在に疲弊したEric Clapton。
”Blind Faith”のあっけない解散後はその前座であった(Eric Clapton自身の音楽的ルーツたる「米国南部音楽」の応用/ポピュラー化的な音楽性の)
”Delaney & Bonnie & Friends”のツアーに同行、大好評を博します。
「The Bandのメンバーになりたかった」との思いもあり新たな音楽性を実現すべく、
そして”Delaney & Bonnie & Friends”人脈の面々を起用し初のソロ作「Eric Clapton」を制作。
嘗ての姿とは異なる音楽性ではあったものの好評を博した事で自信を得、
(金銭的に揉めていた)”Delaney & Bonnie”の構成ミュージシャンであったJim Gordon/Bobby Whitlock/Carl Radleを誘い結成したのがこの”Derek & the Dominos”でございます。
初ソロ作「Eric Clapton」に繋がる(Eric Clapton自身の音楽的ルーツたる)「米国南部音楽」を基とした音楽性でございますが、
英国ミュージシャン特有の「ルーツ音楽の拡大解釈/曲解」がミソ。
(バンド名から伺えますが)嘗ての演奏エゴを全面に強調した”Guitar Hero”的な役割や名声を捨て、
あくまで楽曲重視そしてヴォーカルを中心とした演奏・アンサンブル重視の感がございます。
”Delaney & Bonnie & Friends”で学んだ音楽性を生かしておりますが、余計な装飾を外した事がミソ。
あくまでバンド形式に拘ったもので、Clapton/Whitlockのツインヴォーカルも特徴的でございます。
またゲストで当時敏腕スタジオ・ミュージシャンとしても名高かった天才故Duane Allmanの参加もミソ。
ブルーズ系のみならず多彩感のある演奏はEric Claptonには相当な刺激になった感があり、キャリア随一の演奏が聴かれます。
Clapton/Whitlockばかりに注目が当たりますが、Jim Gordonの巧みなシンバル/タム捌きは見事なもの。
ジャズ系のルーツを感じさせるものでございます。
案外多いセッション参加でございますが、バンドという事もあり才能・技術をつぎ込んだ感のある演奏の感がございます。
(そこがEric Claptonとの対立を招いた感がございますが......................................)
Carl Radleはバンドが個性的なミュージシャン揃いという事があり一線退いて個性を出した感がある演奏でございますが、
そもそもバンドという事もあり個性強め。
但しEric Claptonとの相性は非常に良いもので、後のソロ作制作に起用となる事が判るものとなっております。
後にEric Claptonが起用するベーシスト(Dave Markee、Donald ”Duck”Dan、Nathan East、Willie Weeks等)の有り方の基礎となる感がございます。
自信作であったものの初ソロ作「Eric Clapton」から続く音楽性の変化はファンに混乱を齎した模様。
またメディアの批評も辛辣。英国ではチャートインせずという結果となります。
(「米国に行ってしまったEric Clapton」という評があり、代わりにかの”Wishbone Ash”が注目を集める事になったとか..............................................)
そこから来るバンドの不協和音のみならず、制作中にも蔓延った麻薬の問題。
またバンドであるもののEric Clapton自身は自らのリーダーバンドという姿勢からJim Gordon/Bobby Whitlockとの対立を招き、セカンド作制作途中で崩壊。
契約消化感のあるライヴ盤を残し消滅する事となります.............................................
アルバム制作中のJimi Hendrixの他界、バンド崩壊そして盟友Duane Allmanのあっけない死去という衝撃。
そして自己逃避からくる(バンドに蔓延った)麻薬の問題。
Eric Claptonを苦しめていく事となります..................................................
そもそも今作は籠り気味の音質でアナログ盤時代特有の.............という感があり、初CD化そして初期リマスターの際は「アナログ盤懐かし」との評が当時ございました。
されどこの”SACD”。
定評のあるかの”Mobile Fidelity Sound Labo社”による制作というもの。
何をか言わんや、でございます..............................................
現在では入手が困難。この機会に是非。