忠臣蔵　雪の巻・花の巻　■LD盤　送料無料

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【商品の説明】
タイトル：忠臣蔵　雪の巻・花の巻

製作：藤本真澄、田中友幸、稲垣浩

脚本：八住利雄

監督：稲垣浩

美術：伊藤熹朔、植田寛

録音：西川善男

照明：小島正七

音楽：伊福部昭

キャスト：大石内蔵助→松本幸四郎、浅野内匠頭→加山雄三、堀部安兵衛→三橋達也、高田郡兵衛→宝田明、岡野金右衛門→夏木陽介、不破数右衛門→佐藤允、大石松之雪之丞(主税)→市川団子、萱野三平→中村萬之助、矢頭右衛門七→市川染五郎、寺坂吉右衛門→加東大介、吉田忠左衛門→河津清三郎、吉良上野介→市川中車、千坂兵部→志村喬、脇坂淡路守→小林桂樹、土屋主税→池部良、本陣主人・半兵衛→森繁久彌、大工・平五郎→フランキー堺、俵星玄蕃→三船敏郎、大石の妻・りく→原節子、内匠頭の妻・瑤泉院→司葉子、浮雲太夫→新珠三千代、吉右衛門の妹・お軽→団令子、平五郎の妹・お艶→星由里子、水茶屋の女・お文→池内淳子、半兵衛の女房・お時→淡路恵子、上野介の妻・富子→沢村貞子、戸田の局→草笛光子、多門伝八郎→有島一郎、間十次郎→高島忠夫、畳屋・音吉→柳家金語楼、楠屋久兵衛→藤原釜足、野郎芸者・利兵衛→三木のり平

■解説：「忠臣蔵」の題材となった赤穂義士の事件は、今から285年前の元禄14年(1701年)3月14日、播州赤穂(兵庫県)の城主浅野内匠頭長矩が、江戸城松の廊下で吉良上野介義央を切りつけたことが発端である。当時の掟により内匠頭は即日切腹、赤穂城没収、家来は浪人となった。しかし上野介には何の咎もなかった。その不満から47人の老人が家宅の大石内蔵助良雄を盟王として結束。翌15年12月14日、本所松坂町の吉良邸に討入り、上野介の首を討取って高輪泉岳寺の内匠頭の墓前に供えた。天下泰平の元禄時代、47人(史実では46人)の浪人が主君の仇を討ったこの事件は、お膝元の江戸ばかりか日本国中の大ニュースとなった。早速、当時の芝居原作者が取り上げたが、武家の出来事を芝居にしてはならぬという厳しいお達しが出されていたため、同じ仇討物語の曽我兄弟や小栗判官にかこつけて上演したが、すぐに禁止されたという。それから4年後の宝永3年(1706年)、後の「忠臣蔵」の土台となった近松門左衛門の人形浄瑠璃「碁盤太平記」が大阪の文楽に現れた。「太平記」を借りて、内匠頭を塩谷判官高貞、内蔵助を、大星由良之助を幸介師直(こうのもうろう)としてある。次いで宝永7年、最初の忠臣蔵の歌舞伎脚本「鬼鹿毛武蔵鐙」が、これも大阪の吾妻三八によって書かれた。ここでは内匠頭か小栗判官、内蔵助は大岸宮内、上野介が横山左衛門となっており、義士たちの火事装束が初めて登場している。これらは事件から年月もたち、大阪であったため、お上からのおとがめもなく、そのストーリーから『あれは赤穂義士の支配だ』と大評判になった。その後も人形浄瑠璃「忠臣金短冊(ちゅうしんこがねのたんじゃく)」や歌舞伎「大谷数四十七本」など、新作が上演され、ついに事件から47年目の寛延元年(1748年)、決定版「仮名手本忠臣蔵」が二世竹田出雲、三好松洛、並木千柳の合作で作られたのである。タイトルの「仮名手本」は平仮名のいろは47文字を義士の人数に、「忠臣蔵」は47人の忠臣と大石内蔵助の蔵にかけたものと考えられる。こうした演劇のほか、忠臣蔵を扱った小説としては、山東京伝の「忠臣水滸伝」、為水春水の「いろは文庫」、芥川龍之介の「或日の大石内蔵助」、大佛次郎の「赤穂浪士」、吉川英次や舟橋聖一の「新忠臣蔵」、海音寺潮五郎の「赤穂義士」、五味康祐「薄桜記」などがあり、さらに講談、浪曲と枚挙にいとまがない。そして、これらはいつどこで上演されても大入り満員となる国民的名作となった。このように「忠臣蔵」は、俗説、真説、歌舞伎などの名場面をとり、それに映画的な創作、解釈をほどこして作られてきている。それだけに、この忠臣蔵が広く日本人の心に親しまれているともいえよう。東宝30周年記念映画として作られた本作品は、こうした慣例に従って真説を無視せず、俗説をあなどらず、歌舞伎の幻想を生かし、映画的創作と発見を加味して、忠臣蔵物語をまったく知らない若い人たちにも理解納得できるものに仕上げてある。その内容もドラマチックな松の廊下の刃傷から赤穂城の明け渡し、討入りと見せ場を、感動的に、迫力をもって描き、圧倒的に面白い娯楽性を強調している。


■物語→元禄14年3月、京よりの勅使饗応役を命ぜられた播州赤穂の城主浅野内匠頭長矩(加山雄三)は、吉良上野介(市川中車)から礼儀作法の教えを乞うことになった。しかし、上野介は、かつて塩田造りの秘法の教授を浅野に拒否されたうらみや、賄賂の建物が少ないのを目のかたきにしてか、内匠頭を諸大名の面前で田舎大名呼ばわりをするなど、意地悪の限りをつくす。お役目大事と、口惜しさを抑えて、ようやく饗応の儀もあと一日という日。それまで抑えに抑えていた憤りが爆発。内匠頭は殿中もかえりみず、松の廊下において殿中差し(小刀)を抜くと、上野介に切りつけてしまう。殿中の刃傷は掟に従って死罪。内匠頭は即日切腹をおおせつけられた。しかし、喧嘩両成敗とは名ばかり、上野介には何のおとがめもなかった。お家の大事を知らせる早駕籠が、江戸から赤穂へ走った。赤穂城内。城代家老の大石内蔵助良雄(松本幸四郎)を中心に、城とともに討ち死にという急進派と、城を明け渡して浅野家再興につくすという慎重派が入り乱れて議論が続けられた。その頃、城受け取りの正使、脇坂淡路守(小林桂樹)は、すでに赤穂へ軍を進めていた。議論17日間、ついに急進派を抑えて内蔵助は、城明け渡しの断を下す。集まった同志は60余名、誓紙血判をもってこれに従った。城の荒れたところが修理され、明け渡しの準備が整えられた。一戦を覚悟していたら淡路守は、全くの無条件降伏に内蔵助の本心をはかりかねた。6月。山科の閑居に移った内蔵助は、吉良家の目をくらますため、京都祇園に通い続け、腰抜け武士、大石ならぬ軽石よ、とののしられながら遊女のヒザ枕で平然と眠るのだった。そして、妻のりく(原節子)を離縁したが、夫の心を知るりくは涙一つこぼさず、幼い子を連れて実家に帰って行った。それを見送る長男の主税(市川団子)と内蔵助の顔には一粒の涙が光っていた。その頃、上野介の息子、綱憲の上杉家では、家老の千坂兵部(志村喬)が、内蔵助の本心を読んでか、吉良家の用心棒を集め始めていた。


■雪の巻→名を変えて町人姿に身をやつして江戸に住み着いた赤穂浪士たちは、事の成就のために吉良家の情報を集めていた。その一人、堀部安兵衛(三橋達也)は、槍の名人の俵星玄蕃(三船敏郎)が吉良家の用心棒になったという噂を耳にし、酒に酔って帰る玄蕃を襲った。しかし、玄蕃は明るく笑って安兵衛を相手にしない。彼もまた、赤穂浪士を遠くから見守っていたのだった。10月。内蔵助は、仇打ちをはやる急進派慰撫などのために江戸へ出た。日本橋近くの小山屋に集まった内蔵助一行は、岡野金右衛門(夏木陽介)が大工・平五郎(フランキー堺)から手に入れた本所松坂町の吉良邸の図面をもとに、慎重な討入り計画をたてはじめた。内蔵助は大事決行を前に、泉岳寺の亡君の墓に詣でる。そして、出家して瑤泉院となったあぐり(司葉子)を訪ねた。しかし、そこにも吉良の間者らしい不審な女が女中の中にいた。内蔵助は本心を打ち明けることができず、瑤泉院の冷笑を背に屋敷を出るのであった。年が明けて、元禄15年。京都に戻った内蔵助は、同志を集めて決行を宣言した。しかし、いざはっきり決行が決まると、熱にうかされていたのが冷め、脱盟していく者が出てきた。内蔵助は、その者を追わなかった。真に団結できる同志をフルイにかけていたのである。8月、同志たちが続々と江戸へ集結していった。11月末に江戸に集まった同志は55名、しかし12月に入って8名が脱盟したと史実は伝える。12月14日、同志たちは別々に泉岳寺に詣でると、夜半になってから本所のソバ屋(史実では3か所)に集合した。主君・内匠頭切腹当時は200余名を数えた人数も。この日、わずかに40数名。刻々と迫る瞬間に無言の緊張がみなぎっていた。日はかわって15日。深々と降り積もった雪が真っ白に染める深夜の道を、火事装束の赤穂義士46名は吉良邸に向かった。内蔵助の槍先には、この日を待たず武士の義に散った萱野三平(中村萬之助)の名札が結びつけられていた。午前4時頃。赤穂義士は上野介の首球をあげるべく、吉良邸の表門と裏門から打ち入った。すこしおくれて槍を片手にかけつけた俵星玄蕃は、門前に立てられた赤穂浪人遺言状をみると、義士たいの本懐を祈りながら、寄せ手を一人も通さじと宝蔵院流の槍をかまえた。

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