★Nakamichi DRAGON ナカミチ ドラゴン カセットデッキ 中古1台(取扱説明書付) 録音再生可(ただしサーボ系の再調整必要な製品)★
お譲りするのは、カセットデッキのDRAGON 中古1台と取扱説明書(シミあり)になります。
PSE認証制度が始まるころ、整備品の中古としてショップから購入したものですが、
ラック保管が長く、時々、電源を入れる程度でした。カセットはその後、フィリップスのDCCの購入を最後に遠ざかっております。
中道は480から始まり、700ZXEまで数機種買い替えを続け、DRAGONを最後にしておりました。
昨年、夏頃までは、マニュアルでバイアスのキャリブレーションもでき、録音再生もできておりましたが、
最近、録音再生をして気づいたのですが、音がこもるようになり、バイアス調整ができなくなりました。
両チャンネル同じような症状が同時に起こるのは、信号回路系ではなさそうですので、
ヘッドタッチやアジマスの問題、特にキャプスタンモーターのサーボ系の調整が必要な状態のように思います。
テストテープなど所有し調整環境がある方でメンテナンスができる方がおられましたら、ご利用ください。
掲載写真は、フォワード再生、リバース再生、録音レベル調整の動作状況(メーター点灯)、バイアス調整(メータ非点灯)など、動作を撮影しております。
<症状>
1)両チャンネルとも高い音が両チャンネルともでない。400HzはOK.15KHzはNG。2KHzくらいから上は再生出力低下
他機種での録音テープ。
ドラゴンの自己録再テープでも、音のこもりがあります。
フォワード再生、リバース再生でも両チャンネルとも音がこもります。
2)再生はじめにテープがたるむことがある。再生時、定速になるまで立ち上がりに時間を要することが時々ある。
フォワード再生は比較的良好だが、リバース再生時は回転の立ち上がりが不安定になることがある。
再生時の回転の立ち上がり遅い時があり、定常のスピード再生に安定になるまで、1秒前後かかる時があります。
フォワード再生から、直接、リバース再生に切り替えると症状が出やすいです。
早送りしてから、再生、
または巻き戻ししてから、リバース再生に切り替えた時は、定常速度に落ち着くのが早いようです。
カセットを取り出した際、テープにたるみが残るケースがありますので、
左右のキャプスタンモーターの回転速度やサーボ調整がずれていると思われます。
パッドリフタで、キャプスタンの回転でテンションをかけているので、調整がずれたことから、ヘッドタッチが安定せず高い音が再生できていない可能性が高いと思います。
(回路系の故障ならば、両チャンネルとも同じように高音域が劣化するのは考えにくいと思います)
上記の症状なので、
400Hzによる再生レベル調整は出来ますが、15KHzのバイアス調整は上述の状況なので現状できません。
再生の周波数特性をフォワード方向で念のためSX相当のテープで自己録再してみました。
バイアスボリュームを左いっぱいにし浅くした状態で、400Hz、1K,2K,3K,4K,5K,6K,10K,15K、20KHzの正弦波を入力し再生出力を測定した結果、400Hzを基準にすると両チャンネルとも約2KHzでー3dB程度低下しています。15KHzではー40dBで、ほとんど高域は録音できていない状況です。
よって、ドラゴン搭載の15KHzでのオシレータではバイアス調整ができません。
このような状況ですので、サーボ系の調整にあたり、
購入当時の整備の詳細が今となってはわからないので、
基本にもどってヘッド周りの調整から、回転系の制御の調整を行う必要があるように思います。
テープパスの調整
録音、再生ヘッドの高さ調整
基本のアジマス調整
キャプスタンモーターの回転速度、サーボゲイン等の調整
など。
当方では、カセットのテストテープ等、調整に必要な環境がないので、
整備環境がある方、メンテナンスしてお使いいただける方、よろしくお願いいたします。
外観は無傷ではありませんが、年式の割に、傷、汚れは少ないと思います。写真にてご確認ください。
なお、各種機能で確認できているのは、下記のとおりです。(出力信号は、背面のアウトプット端子と、全面のヘッドホン両方で確認)
テープの巻き取り、巻き戻し>動作可。(90分テープで可)
テープの巻き取り、巻き戻し中のキューイング>再生問題なし。
フォワード再生、リバース再生(高域でないが、再生できることを確認済)
オートリバース再生 (テープエンド検知での自動リバース再生に移行することは確認済)
電源投入によるタイマー機能 動作可
ドルビーB,C 動作確認済
70、120μsイコライザ切替>問題なし
テープセレクト(EX,SX,ZX)切替可
各テープでのマニュアル調整(400Hz録音再生レベル調整>可能)
各テープでのマニュアル調整(15KHz録音再生によるバイアス調整>不可:再生レベルが低いため)
マニュアル調整時、リセットボタンを押すことにより、カウンター0点にリワインドすること>問題なし
オシレーター出力の外部出力(400Hz,15KHz>問題なし)
録音済テープの消去>消去できます。
外部入力信号の録音機能 > 右、左とも録音できるが、ともに2KHz以上の信号は再生出力が低下
LEDメータ フルスケールまで点灯 未点灯など表示欠けなし。
録音ボリューム(マスター、チャンネル別)>ガリ等なし。減衰もスムーズで問題なし
出力ボリューム ガリ等なし
ヘッドホン出力>問題なし。
MPXフィルタ>機能します。(減衰レベルが設計値かどうかは不詳)
カセット録音防止爪検知>問題なし
RECミュート、オートフェーダー問題なし。
オートアジマス調整>
他機種での録音テープを再生すると、インジケータが点滅し完了表示までアジマス調整の動作はします。3~5KHz辺りの再生信号成分では、アジマスの調整動作が機能していそうです。それ以上高い周波数の信号では、インジケーターが点滅し動作は完了するものの、前述の状況なので、調整ができているとは思えません。
20HZから20KHzのスイープを自己録音再生すると、中音域からアジマス調整動作を始めます。
以下は未確認事項
リモコン端子>リモコンがないため未確認
アクセサリー端子 外部のアクセサリBOXがないため未確認
以下はカタログの仕様です。
Nakamichi ナカミチ 中道
型番:DRAGON
トラック形式:4トラック2チャンネルステレオ方式
(再生オートリバース)
ヘッド::独立3
(消去×1,録音×1,4トラック4チャンネル再生×1)
モーター:テープ駆動用
クォーツPLL DC,ブラシレス/スロットレス/コアレススーパーリニアトルク
D・Dモーター(キャプスタン用)×2
DCモーター(リール用)×1
アシスト用
アートアジマス用×1
メカニズムコントロール用×1
電源:100V AC50Hz/60Hz
消費電力:最大40W
テープ速度:4.8cm/秒
ワウ・フラッター:0.019%以下 WTD RMS,0.04%以下 WTD Peak
周波数特性:20Hz-22,000Hz±3dB(録音レベル-20dB ZXテープ)
20Hz-21,000Hz±3dB(録音レベル-20dB SX,EXⅡテープ)
総合SN比:ドルビーCタイプNR ON 72dB以上(70μs,ZXテープ)
(400Hz,3%THD,IHF A-WTD RMS)
ドルビーBタイプNR ON 66dB以上(70μs,ZXテープ)
(400Hz,3%THD,IHF A-WTD RMS)
総合歪率:0.8%以下(400Hz,0dB,ZXテープ)
1.0%以下(400Hz,0dB,SX,EXⅡテープ)
消去率:60dB以上(100Hz,+10dB)
チャンネルセパレーション:37dB以上(1kHz,0dB)
クロストーク:60dB以上(1kHz,0dB)
バイアス周波数:105kHz
入力:(ライン):50mV 50kΩ
出力:(ライン):1V(400Hz,0dB,アウトプットボリューム最大)2.2kΩ
(ヘッドホン) 45mW(400Hz,0dB,アウトプットレベル最大)8Ω
ブラックボックスシリーズ専用DC出力:±10V 125mA最大
大きさ:450(巾)×135(高さ)×300(奥行)mm
重さ:約9.5kg
(説明文中で、「たるみがでるときがある」という状態は、主に「再生」をした際、回転の立ち上がりが長い時や、フォワード再生からリバース再生に切り替えた際の逆転動作の立ち上がりなどの時に、カセットを取り出したりすると、少したるみが見られることがありました。