【元社会主義者「皇道日報」社長・福田狂二（福田素剣）旧蔵】大日本国本協会・山下清一『天皇道』昭和10年・カバー「神乃日本社」中里義美

昭和10年代に雑誌『神乃日本』を発行していた中里義美の同志でもあった山下清一による奇怪な天皇信仰の書です。山下は『神乃日本』にも度々寄稿しているのでご存知の方もいるかと思います。とはいえ、本書の価値はそれ以上に、やはり中里の同志でもあった『皇道日報』主幹・福田素剣の旧蔵印があるところかと思います。福田と中里の関係は、中里を紹介した新聞記事によると、東大を出て、内田信也の「内田汽船」に就職した中里は、当時内田社長の秘書という名の用心棒として、来客対応をしていた大正時代に、内田を襲おうとして訪問した社会主義者、福田と会い、それからの関係だったとのことです。福田は狂二から素剣と名乗り、右翼に転じて、昭和10年代には中里と同志的関係となって、界隈の記事を書くことになります。

カバーに少し劣化、小口にヤケがあります。