大竹伸朗・絵・文／署名(サイン)●『ジャリおじさん』●「こどものとも」年中向き・通巻89号●福音館書店刊・1993年・初版

●大竹伸朗・サイン入り『ジャリおじさん・元版』・こどものとも・年中向き・89号、福音館書店刊、1993（平成5）年8月、初版、約26×19cm、28ページ。とくに欠点はありません。

● 大竹伸朗の初期の絵本『ジャリおじさん』は、アーティストの絵本として有名なだけでなく、大竹伸朗にとっても忘れられない作品です。ジャリおじさんとはもちろん、アルフレッド・ジャリをイメージしています。その代表作の戯曲『ユビュ王』はまさしく、この絵本のジャリおじさんそのものです。

● シュールレアリズムのもっとも有名なこの戯曲は、破天荒なユビュ王の遍歴物語ですが、それの大竹流解釈が『ジャリおじさん』といっていいでしょう。そんな難しそうな絵本を子供が読めるのかと心配になりますが、どうしてどうして子供の想像力をいたく刺激するらしく、大人気の絵本です。なにしろ鼻の頭にひげが生えているのですから……

● 絵本『ジャリおじさん』はこの、「こどものとも・年中向き」89号に初出、のちに独立した絵本になり（94年）、日本傑作絵本シリーズにもなりました（2000年）。