無冠の馬　歌集 木村草弥／著

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２０１５年４月に角川学芸出版から初版発行された、歌人木村草弥氏の歌集「無冠の馬」です。

卓越したエロスとインテリジェンスで綴る斬新奇抜な詩的世界。外国詠にも及ぶテーマの広さはもはや追従するものがないといっていいだろう。破天荒かつ英国競馬史上最高と語られるセントサイモンを彷彿させる珠玉の第６歌集。

《自選五首》

三椏の花はつかなる黄に会ふは紙漉きの村に春くればゆゑ

午年生まれましてや無冠のわれながら馬齢を重ね八十五となる

八つ手の花ひそと咲く白昼凩やネルソン・ホリシャシャ・マンデラ氏逝く

シレーヌの素肌に夜と昼が棲む、さて、やさしさを縛ってはみたが

哀しみとポテトチップスと比べつつしあわせ計れば鳴る赤ケトル

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