DARRELL LEE (1989)
(CD / G.E.M.C. RECORDS / ICHIBAN RECORDS)
デトロイト出身の実力派シンガーソングライター DARRELL LEE によるデビュー・アルバム。
熱心なインディ・グループ・ファンには有名なヴォーカル・グループ LIVING PROOF (A.K.A.
THE EXPORTATIONS) の '89年作とほぼ同時期にほぼ同布陣にて制作された作品。アメリカの
「一番レコード」配給ながら、同レーベルの諸作品とは異なり、なぜか本作はノーバーコード
仕様という不可解なリリースで、ネット上でもCD盤の情報がろくに確認できないという珍品
ぶり。もしかしたら正規発売されなかったのだろうか?何はともあれ、まるで話題に上らない
本作だが、もちろん内容が悪いわけではない。制作陣には LIVING PROOF のプロデューサー
ELRON をはじめ、AL HUDSON & ONE WAY から DAVE ROBERSON などメンバーが数名、
LIVING PROOF から BERNARD GIBSON、'87年のデビュー・アルバム『LOVE ME RIGHT』
でお馴染みの MILLIE SCOTT、殿堂入りも果たしたモータウンのグループ MARTHA REEVES
& THE VANDELLAS から LOIS REEVES、そして70年代から活躍する名パーカッショニスト
CARL BUTCH SMALL といった猛者達がズラリと居並ぶ、むしろ話題性抜群の本作。そんな
強力なバックアップを受けた本作の主役 DARRELL LEE は自身でソングライト~プロデュース
もこなす才人。シンガーとしては決して暑苦しく歌うタイプではなく、静かに燃えるハンサム
なバリトン/テナーでもって丁寧に歌うタイプ。味わい深く魅力的なヴォーカリストである。
80年代後半らしいエレクトロ・ファンクが中心ながら、数少ないアーバン・メロウがとにかく
秀逸。冒頭はタイトルもズバリのスロウ・ダンサー①。咽び泣くサックスをフィーチャーした
アーバン・メロウ・バラッド③。胸を焦がす陽性のアーバン・メロウ・ミディアム⑥は、誰が
言ったか「女性の名を冠した楽曲にハズレなし」の格言?に違わぬ珠玉の名曲。グループ出身
のヴォーカリストが数多く参加している為かコーラス・パートがとにかく流麗で美しく、傑作
メロウ群に華麗な彩りを添えている。前述した LIVING PROOF の '89年作も掲載された『U.S.
BLACK DISK GUIDE』に掲載されて然るべき作品なのだが、なぜ選考から漏れたのか不思議で
ならない。まさに知る人ぞ知る隠れた80年代ソウル傑作。余談ながら '19年にニュー・アルバム
『I'M IN THE MOOD』を発表した DARRELL LEE。デビュー作以降、何も発表していなければ
30年ぶり!?の新作(まさかとは思うが、ほかの作品が見当たらない)ということになる。しかし
地道に活動を続けていたことは彼の歌声を聴けば明らかで、衰えなど感じさせず、渋味・円熟味
を増した歌声とベテランの余裕でもってリアルなソウル・ミュージックを生み出す姿勢に脱帽。
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