○ セーラー万年筆が企業を代表する万年筆として、1980年代に世に出した超高級万年筆です(当時定価税抜65万円)。銘木中の銘木である天然黒檀を職人が削り出して造り上げたボディーに加賀蒔絵の名門工房の当主であった初代大下香仙氏に依頼して、流水松林図を蒔絵の最高技術の一つである金高蒔絵の技法を駆使して描いた全面金蒔絵の絢爛豪華な日本を代表する万年筆です。なお、世界の天然目シリーズのニブは初期が18Kでその後23Kから21Kへと変わっているため、最初期に当たります。
○ 初代香仙氏による金高蒔絵、後に現代の名工に選ばれた高原宣義氏によるポイント研磨(高原氏が雑誌のインタビューの中で、銘木シリーズの蒔絵のものは研いでいたと仰っています)と、二度と作られることのない名品です。
○ 清流が流れる深山幽谷の世界を金高蒔絵の技法を駆使して万年筆に表現され尽くしており、その立体的な金のレリーフとも言える高蒔絵の表現により、山水画の名画以上の迫力で見る者に迫ります。様々な種類の金粉を使って、超絶技巧と言える筆遣いで描くのも困難な細い万年筆に描かれており、手にして間近で見る程に伝統の技の見事さに持つ事の誇りを感じられる逸品中の逸品です。
○ 蒔絵を施された万年筆は多くありますが、樹脂軸や金属軸ではなく、本来の漆塗の形である木地に漆塗を施している、その意味でも、今となっては希少な万年筆です(最近まで香仙氏の後継者により、木軸に金高蒔絵を施した万年筆がセーラーのリストに載っていましたが、現在はそれも絶版のようです)。漆は元々木の樹脂であり、天然木に施された蒔絵は、剥がれ難く、持ちが良いと言われます。
注意事項:古い万年筆ですので、完品をお求めの方、神経質な方は入札をお控え下さい。ノークレーム・ノーリターンでお願いします。元箱ではありませんが、桐箱に入れてお送りいたします。
【商品の説明】
ブランド、メーカー:加賀高蒔絵・大下香仙作「清流松林図」、セーラー万年筆
カラー・材質:黒檀に本漆塗金高蒔絵
ニブ(ペン先):18金、字幅:M
インク補充方式:カートリッジ、コンバーター両用式(新品純正コンバーター付)
サイズ:全長:140mm (収納時)、最大軸径:12mm、重さ:31.03g(素人計測)