希少図録本 木象嵌 日本の木画・金子コレクション 写真解説171点 明治時代の超絶技巧木工芸 大正時代 昭和時代
作品集 写真集
大田区立郷土博物館 発行
2004年
約30x21x1cm
99ページ
作品写真図版フルカラー
解説追加図版モノクロ
※絶版
木目や色の異なる様々な板で絵模様を描く「木象嵌」のコレクター、金子皓彦氏のコレクションを中心に、
171点の作品を展観した珍しい展覧会の会場限定図録本。
カラー写真図版、詳細な解説、論考テキストなどを付したもの。
駿河系、箱根系、紀伊田辺、安芸厳島、(額絵)箱根・小田原、(額絵)富山そのほか日本各地、国外の木象嵌、
珍しい麦わら象嵌など、明治時代の超絶技巧がこらされたライティングビューローをはじめ、
明治時代、大正時代~昭和時代までの木象嵌の作品を産地ごと、種別ごとに整理分類してフルカラー写真で紹介。
ヨーロッパ向け輸出品のライティングビューロー、宝石箱、小引き出し、煙草入れ、カルタ箱、文箱、裁縫箱、葉書入れ、挽き物細工、箱根土産秘密箱、輸出向け秘密箱、貯金箱、マジックシガレットケース、卓上シガレットケース、筆箱、輸出向け筆箱、玩具書庫、樹皮細工箱、額絵(神場幸夫作・長沢正正秀作・内田定次作・油田治雄作・杢堂作・立堂作ほか)、麦わら細工ほか。
明治以降の木象嵌、木工芸に関しては類書もほとんど無く、
寄木細工・木工芸・木象嵌、骨董品・工芸・アンティーク等愛好家必携の大変貴重な資料本です。
【ごあいさつ】より
「象嵌」とは「象を嵌める」あるいは「象り嵌める」技を表現しています。金属や骨・角・石などの他に植物を使った象嵌もあり、珍しいものでは「麦わらの象嵌」がありました。わたしたちの大田区でかつて作られていた「大森麦わら細工」は、木箱への絵模様の表現に象嵌技法が使われていたのです。
さて、象嵌材料の視点を植物素材で広げると、木目や色の異なる様々な板で絵模様を描く「木象嵌」の世界があることに気づきます。正倉院の宝物に見られるほど古くからある技で、当時は木画と呼ばれていました。それが、身近な木製品の装飾技法となったのは明治時代になってからのことです。彫り窪めて嵌め込んでいたのが、糸鋸ミシンの導入によって切り抜き嵌め込む技法へと変化したのです。
以後、糸鋸ミシンによる木象嵌は東京をはじめ各地で手掛けられましたが、現在もその技を伝えるのは寄木細工の産地でもある箱根・小田原です。
素材の微妙な色合いや肌合に着目した先人の知恵と技を、木象嵌の世界を通してご覧ください。
本展は、木象嵌を幅広く収集されている東京女学館大学教授金子皓彦氏のご協力により開催の運びとなりました。心より感謝申し上げます。
【目次】
ごあいさつ
図版 カラー
木象嵌読本 金子皓彦(東京女学館大学教授)
歯科医院にて 象嵌と木画は同義語 西洋の象嵌 その他外国の象嵌 日本の象嵌 文政9年4月7日シーボルトが箱根畑宿でみた「木象嵌細工」とは 箱根・小田原地方の木象嵌 木象嵌に革命 駿河の木象嵌 木象嵌を支える技法と感性
(参考図版 白川洗石考案の糸鋸ミシン ほか)
麦わら象嵌 藤塚悦司(大田区立博物館学芸員)
麦わら象嵌の製法と製造過程の連続写真解説
作品解説 金子皓彦
出品目録
【凡例】
一、本図録は大田区立郷土博物館が平成16年10月3日から11月14日の問に開催する展覧会「木象嵌一日本の木画・金子コレクション」際し、制作・発行するものである。
一、図版に付した番号は出品目録の番号である。展示の順序とは必ずしも一致しない。
一、作品の名称、製作年代・産地の判定および解説は金子皓彦氏(東京女学館大学教授)による
一、図版ページ作品番号1(P6・7)は佐野美術館の提供による。解題ページ⑤(P83)は日光東照宮、⑥(P83)は渡辺美術館の協力による。
その他の図版写真は小平忠夫氏の撮影による。
【図版目次】
駿河系
箱根系
紀伊田辺
安芸厳島
(額絵)箱根・小田原
(額絵)富山
各地
国外
その他の象嵌(参考)
麦わら象嵌
【麦わら象嵌】より一部紹介
「木象嵌」を主流とする植物素材の象嵌の中で、ひときわ特徴的な存在が「麦わら象嵌」である。「木象嵌」は台板に絵柄を嵌め込む技法であるのに対して、「麦わら象嵌」は箱や板に麦わらを張りめぐらし、その地張りを切り込んで絵柄を嵌め込む象嵌である。
製造法の概要をここで紹介するのだが、実は「麦わら象嵌」という用語は、特徴を明確にするために今回設定した造語である。本来は馴染みやすい「麦わら細工」の名があるにも拘らずである。理由は「麦わら細工」と聞いて思い浮かぶのは、わら縄・わら養・わら草履など「稲わら細工」の連想の域を出ないからである。しかし、ここで対象とするのは、通常抱く「わら細工」のイメージとはかけ離れた造形であって、限られた二つの地域で地場の産業として発達した「麦わら細工」である。
一つは「大森細工」、もう一つは「湯島細工」。いずれも江戸時代の中ごろからの歴史を持つが、「大森細工」は東海道の大森から八幡塚村周辺地域(大田区大森から六郷)で作られ、街道沿いの土産物屋で旅人相手に売られた。この土地では、動物の姿などを巧みに編む「編み細工」と、木箱に張り込む「張り細工」の二種類の「麦わら細工」があったのだが、すでに廃絶して半世紀を経てしまった。
「湯島細工」は兵庫県の城崎温泉にて、湯治客相手の土産として作られてきた麦わら細工である。木箱など様々な木製品の表を飾る「張り細工」として行われてきたもので、「城崎麦わら細工」の名前で現在も技術が伝承されている。
両地で作られた「麦わら細工」の数々は、「麦わら細工の輝き』(大田区立郷土博物館発行)の掲載写真をご覧いただきたい。
ほか
【作品解説】より一部紹介
1.ライティング・ビューロー
象嵌と寄木文様で表飾した家具としては最大級であろう。
朝顔・雲鶴・鳳凰のほか、12弁の菊花・桜・桔梗・蝶などの象嵌文様を扉や縁取りなどの随所に配し、寄木だけの単調さを和らげている。
明治時代の中頃に箱根・小田原地方で作られヨーロッパへ輸出され、イギリスの貴族のもとで使われていた。
2.ライティング・ビューロー
上部引違い扉に紅葉、引出し状に仕組まれた机面の中央に見られる象嵌の一枝の菊花は、製作技術の高さを伺うことができる。
下半を演出する、菊花、竹葉、菖蒲の象嵌文様が直線的な寄木文様と良く調和して雅な雰囲気を醸している。
ロンドン郊外のダイアナ・ワタナベさん宅で「ミヤノシタ」と名づけられていたのは産地と購入したところを示唆している。
3.飾棚
なんとも奇妙な形をした飾棚である。まさに外国人に売るため、あるいはアメリカやヨーロッパへ輸出するために奇をてらった作りである。
使い勝手より広い室内に置かれて、いわゆるジャポニズム、即ちそれまでにない雰囲気作りの家具として製作されたものであろう。
多くの種類の寄木文様で表飾するが上部引違扉などに小寄木を象嵌したところがある。
4.飾箪笥
裁縫道具を入れる筆筒でもある。寄木と蒔絵で表飾している。寄木は乱寄木を基調とするが、この中に多種の小寄木を象嵌して変化に富んだ文様にしている。
上蓋下の鍵金具の右には扉形の縁取りの内に「壽」の文字と六角陰入麻葉の寄木文様を象嵌し、下段引出しの鍵金具の右下には同様に重六角と稲の字を象嵌している。明治時代に駿府(旧静岡市)で作られ外国に輸出された。
5.屏風
左扇、右扇は杢目の美しい一枚の杉板に象嵌で表わした各6図を配している。各図の大きさは縦22.3cm、横18.3cmをはかる。
左扇は中央の少し左に月に叢雲、この左上に重ねたのは紅葉に桔梗の図である。
ほかに4図を配す。右扇は右上に富士山の図を置き、これに菊花の図を重ねている。
ほかに燕子花や梅の図など4図である。各図に「抱一筆」や「雨華莽中抱一筆」、落款などすべてを象倣している。
6.欄間「色紙形六歌仙」
3枚の表裏に象嵌した板と、引引抜きで繊細な…
全171点に詳細な解説つき。
【作品リスト】一部紹介 制作時代、寸法掲載
ライティング・ビューロー
ライティング・ビューロー
屏風
模色紙形六歌仙」
合付宝石箱
宝石箱
文雄
宝石箱
卓上書
火鉢
小ひきだし
写真立て
三つ組入子箱
小ひきだし
手提重
形箱
硯箱
弁当箱
旅机
台
台
小ひきだし
小ひきだし
小單節
小單筒
小ひきだし
單筒
書庫
小ひきだし
小ひきだし
小ひきだし
燈能形巻莫入れ
三方開巻其入れ
四方開卷真入れ
四方開巻莨入れ
四方開巻莫入れ
四方開葉巻入れ
四方開葉巻入れ
かるた箱
かるた箱
かるた箱
かるた箱
かるた箱
かるた箱
かるた箱
かるた箱
かるた箱
かるた箱
小ひきだし
小ひきだし
小ひきだし
小ひきだし
手箱
文箱
小箱
文箱
入子箱
入子箱
小箱
小箱
文箱
文箱
裁縫箱
文箱
文箱
文箱
救箱
鍵付き箱
文箱
葉書入れ
小箱
葉書入れ
葉書入れ
葉書入れ
葉書入れ
葉書入れ
葉書入れ
重箱
重ね箱
重ね箱
重ね箱
裁縫箱
文箱
文箱
裁縫箱
文箱
投き物細工蓋物
挽き物細工菓子鉢
挽き物細工菓子皿
挽き物細工菓子皿
挽き物細工菓子皿
箱根土産秘密箱
箱根土産秘密箱
箱根土産秘密箱
箱根土産秘密箱
箱根土産秘密箱
箱根土産秘密箱
日光名所土産重ね箱
日光名所土産小箱
日光名所土屋小箱
日光名所土産楊子入
日光名所土産小籍
名所土産秘密箱
名所土屋小箱
名所土産小箱
名所土産秘密箱
名所土産秘密箱
名所土産小箱
名所土産小箱
名所土産糸巻
輸出向け小箱
輸出向け秘密箱
輸出向け秘密箱
輸出向け小箱
輸出向け秘密箱
輸出向け秘密箱
輸出向け秘密箱
輸出向け小箱
輸出向け小箱
輸出向け小箱
輸出向け小箱
輸出向け象嵌細工
秘密箱
本形秘密箱
本形秘密箱
本形秘密箱
秘密箱
貯金箱(郵便ポスト)
貯金箱(ラジオ)
貯金箱(御大典記念)
貯金箱(金庫)
貯金箱(宝箱)
貯金箱(船)
貯金箱(土蔵)
貯金箱(水車小屋)
貯金箱(家)
貯金箱(家)
貯金箱(店舗)
マジックシガレットケース
マジックシガレットケース
マジックシガレットケース
卓上シガレットケース
卓上シガレットケース
卓上シガレットケース
卓上シガレットケース
卓上シガレットケース
卓上シガレットケース
卓上シガレットケース
卓上シガレットケース
卓上シガレットケース
卓上シガレットケース
卓上シガレットケース
卓上シガレットケース
上シガレットケース
卓上シガレットケース
申上シガレットケース
卓上シガレットケース
筆箱
筆箱
筆箱
筆箱
箸箱
筆箱
輸出向け筆箱
輸出向け筆箱
輸出向け筆箱
輸出向け筆箱
輸出向け筆箱
輸出向け筆箱
輸出向け筆箱
輸出向け筆箱
輸出向け筆箱
輸出向け筆箱
携帯シガレットケース
携帯シガレットケース
携帯シガレットケース
携帯シガレットケース
携帯シガレットケース
携帯シガレットケース
携帯シガレットケース
携帯シガレットケース
携帯シガレットケース
携帯シガレットケース
携帯シガレットケース
携帯シガレットケース
入子箱
入子秘密箱
入子秘密箱
さいころ形貯金箱
さいころ形貯金箱
玩具机
玩具書庫
玩具書庫
玩具書庫
玩具机
玩具テーブル
玩具机
玩具テーブル
玩具机
玩具机・椅子
玩具机・椅子
玩具机・椅子
樹皮細工箱
樹皮細工丸西
樹皮細工箱
樹皮細工箱
入子樹皮細工丸函
入子樹皮細工丸函
入子樹皮細工丸函
楊子入れ
たばこ入れ
たばこ入れ
切手・葉書箱
菓子皿
小ひきだし
姫箪笥
安芸宮嶋土産小箱
安芸宮嶋土産小箱
安芸宮嶋土産小箱
額絵「停泊」泰州作
額絵「二宮尊徳」油田治雄作
額絵「長谷川等伯武田信玄」幸夫(神場幸夫)作
額絵「北斎冨嶽三十六景尾州不二見原」正秀(長沢正)作
額絵「歌麿婦人相学十躰浮気の相」内田定次作
額絵「広重東海道五十三次之内箱根」油田治雄作
額絵「立山に雷鳥」杢堂(中島菊太郎)作
額絵「雷鳥に石楠花」立堂(朴木則雄)作
額絵「乃木希典揮毫」
木鉢 杢堂作
花台
見台
文箱
文箱
文箱
鰹節削り器
蠅捕り器
額絵「雪中の母子」
額絵「三河万歳」
額絵「鯉」
額絵張り象嵌
硯箱
額絵「参会記念」
ギター
マンドリン
大正琴
葉巻ケース キューバ
テーブル チリ
写真アルバム ブラジル
額絵「虎の図」 インド
額絵「地中海の避暑地」イタリア
額絵「インレイ湖風景」ミャンマー
額絵「赤頭巾」ドイツ
屏風 中国
麻雀牌入れ 中国
鉄瓶(金象嵌・銀象嵌)
螺鈿(貝象嵌)
螺鈿(貝象嵌)
螺鈿(貝象嵌)
江ノ島貝細工
角館桜皮細工 色紙かけ
麦わら細工 短冊入れ
麦わら細工 髪結い道具入れ江戸後期
麦わら細工 八寸文庫
麦わら細工 櫛入れ
麦わら細工 文箱
麦わら細工 文箱
麦わら細工 文箱
麦わら細工 半襟箱
大森麦わら細工 文箱