サイズ:約40x40x33mm
産地:Pyingyi Taung, Male, Letpanhla, Singu Township, Pyin-Oo-Lwin District, Mandalay Region, Myanmar.
世界有数の宝石産地であるミャンマーのモゴック地域の北西部に位置するペグマタイト鉱山であるピンジタウン鉱山からの紅電気石群晶、友人であるミャンマー地元のトップ級コレクター、ミイン氏から引き継いだこだわりのミャンマー宝石鉱物コレクションからの一点、ビルマトルマリンの代表的な銘品産状であるレッドキャップルベライトの贅沢な標本に、際立つバランスで鎮座する頂部を含め無傷なメイン結晶をはじめとして、艶やかなレッドキャップ群晶は無数の糸のように壮大な幾何学模様を織り出しながら、誰かに捧げるクリスマスの大輪花束から溢れる一本一本のローズのように晶出し、現在の市場では非常に得難いビルマトルマリン銘品・レッドキャップルベライトの贅沢な群晶標本です。最初に注目すべき群晶のみで構成された標本は非常に立派な約210カラット、40x40x30を突破した強烈な体積感で鎮座しています。地元コレクターの強いこだわりが伝わり、標本はただ漠然としたモゴック産ではなく、紅電気石の古典名産地として知られるモゴック地域の北西部に位置するペグマタイト鉱山であるピンジタウン鉱山まで詳しく特定されています。マット質感の濃紅のキャップと強烈な硝子光沢が走るピンクのボディは調和した色調と奇妙な質感のコントラストを作りながら無数晶出し、ビルマトルマリンの代表的な銘品産状であるレッドキャップルベライトの贅沢な標本に、際立つバランスで晶出する頂部を含め無傷なメイン結晶をはじめとして、艶やかなレッドキャップ群晶は無数の糸のように壮大な幾何学模様を織り出し、曹長石の亜種であるクリーブランダイトの刃状群晶は白い花弁のように点在し、UVライトで強烈な青白い蛍光を放ちます。最も特筆すべきことは何と言ってもこの長年新しい産出のなく、現在の市場では非常に得難いビルマトルマリン銘品、誰かに捧げるクリスマスの大輪花束から溢れる一本一本のローズのように晶出するレッドキャップルベライトの贅沢な群晶標本です。こちらの標本の入手経緯もやや特別で、アメリカ人のコレクター先輩の助言とご紹介をいただき、ヤンゴンに在住するミャンマー地元のトップ級コレクターであるミイン氏から引き継いだコレクションからの一点です。現在のモゴック全域の鉱脈は枯渇に近く、さらに激化された内戦の影響でミャンマ―からの宝石鉱物の流通はほぼ絶えた状態となっています。ミャンマーの軍政府は個人の外貨の保有は極めて厳しく取り締まられているので、ミイン氏の本名はネット上で伏せさせて頂きます。英語とミャンマー語のミインオリジナルラベル二枚、専用展示ステージが付属致します。
1989年までビルマと呼ばれていたミャンマー連邦の面積は676,577平方キロメートルで、人口は約5,100万人です。最大の都市はヤンゴン(旧ラングーン)で、人口は500万人を超えています。国は1962年以来、軍事政権によって統治され、1990年以降、ゆっくりとした民主化が進んでいますが、周知の2021年2月1日に発生したミャンマー軍のクーデターで国家顧問アウンサンスーチー女史が拘束され、軍事政権がミャンマ―全権を掌握しました。民族的には、ミャンマーは非常に異質であり、130以上の民族と部族が、100以上の異なる言語と方言を話します。宗教は比較的平均で、人口の88%が仏教を信じています。ミャンマ―の中心部に位置するモゴック地域はマンダレー州に属し、州都マンダレー市の北東部約205kmに位置するモゴック地方は交通が不便な古い時代にアクセスが難しい地域として知られています。世界最高のルビー産地であるモゴックは北東から南西に約18km渡る3つの隣接する谷によって構成され、古い伝承によると多くの劇毒のヘビに守られ、赤い宝石が眠る「蛇の谷」として語り、蛇を恐れる人々は肉片を谷に投げ込み、それを獲物として運ぶ鷲のねぐらに肉片に付着する宝石がしばしば発見、回収されます。歴史に残る記載では西暦579年に、現在のモゴックに隣接する北部のモメイク地域(有名なマッシュルームタイプのトルマリン産地)からのハンター部族が「美しいルビーのある谷」に訪れ、モゴックをその場所に設立し宝石の採掘が始まったとされています。モゴック・ストーン・トラクトは5,500万年前に始まったインドプレートとユーラシアプレートの衝突にによる広域的な温度、圧力の上昇によりこの地域の基本的な変成岩が形成され、変成作用以外に貫入、スカルン、交代などが各所に確認でき、さらになんと北部に超塩基性火成岩が小範囲に露頭し、モゴック渓谷は広域変成鉱脈(地域に分布するコランダム、スピネル鉱床)、超塩基性岩-かんらん岩鉱脈(北部のピャウン・ガウン鉱山)、超塩基性岩-ランプロアイト鉱脈(さらに北部のモメイク地域に位置するあまり知られていないダイヤモンド鉱床)、ペグマタイト鉱脈(西部のサカンジー鉱山)の数種類の宝石鉱脈が同時に揃った世界でたった一ヶ所の産地でもあり、分散されるはずの複雑な地質作用が奇しくもモゴックの一ヶ所に集中し、それによって形成された一次、二次鉱床からあらゆる宝石、貴石の産出が確認できる奇跡の地です。証拠として五大宝石のダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、アレキサンドライトのうち、エメラルドを除きすべてが確認でき、緑柱石、燐灰石、尖晶石、月長石、黄玉、橄欖石、柘榴石、金緑石、各種輝石、電気石、風信子石などの一般的な貴宝石、さらにターフェ石、パイナイト、ジェレメジェバイト、ポードレッタイト、セレンディバイトなどの極めて希産のレアストーンを含め、控え目に言っても世界最も豊かな宝石産地です。モゴック渓谷北西部のダムに面し、伐採地として地元の人に利用される山地に位置することでミャンマ―語では大きな林場を意味する言葉にちなんで命名されたピンジタウン鉱山(画像10左)はモゴック西部から走るペグマタイトの余脈に属し、80年代からミャンマ―の代表的なペグマタイト宝石鉱物、特に優美な産状を持つ銘品紅電気石の名産地として知られるが、ミイン氏の話によると2017年末にこの鉱山にて紅電気石のポケットが発見された以降の長い間に新しい産出がなく、現在の市場ではミャンマ―産紅電気石の優れた個体の流通は非常に稀です。ミャンマー鉱物の魅力は豊富な種類だけでなく、ほとんどの宝石種類は世界トップ品質の個体がミャンマ―に産出し、そして当方にとって最も魅力的で重要なあることを気付きました。うまく言えないが、この地からの鉱物たちは何故か有機物と無機物の両方の特性を持ち、ミャンマ―からのすべての鉱物にこの二つの特性のどちらが徹底的な形で顕し、少し理解しづらいかもしれませんが例えばマッシュルームトルマリン、軟体動物のように発達したコランダム群晶、花のように咲く灰電気石など明らかに有機物の特性が見られる産状と、アクアマリン、トパーズ、一般的なトルマリンやフェナカイトなど鉱物のイメージ通りの無機物産状が同時に確認でき、さらにこれらの鉱物の一部はまるで非自然的な極めて鮮やかな色彩に呈し、鉱物の中に宿る“何か”の存在を強く感じられます。
余談ですがここでミャンマーの最新情勢について語らせて頂きます。70年以上政府の管理下にあるモゴック町は2024年7月24日に反政府武装組織タアン民族解放軍TNLAによって完全占拠され、1948年のビルマ連邦独立当初から現在まで続き、2021年2月1日の軍部クーデターによって一気にエスカレートしたミャンマ―内戦は更に激化されています。ミャンマ―内戦の本質はミャンマ―国軍、即ちミャンマ―人口の70%を占めるビルマ族の軍隊と少数民族独自の武装勢力との戦争、その原因はイギリス統治時代の民族分断政策と強く関連し、特に辺境で暮らす少数民族は地域間の意思疎通はほとんど不可能な厳しい移動制限され、また人口の多数であるビルマ族を軽視して、カレン族、カチン族、チン族などの少数民族を政府機関や軍隊に重用していたイギリス植民政策は後の独立国家としてのミャンマ―の民族融合に悪影響を与えました。ミャンマ―に130以上の少数民族はそれぞれの武装勢力がありますが、現在の内戦では主にミャンマ―国軍(軍事政権勢力)と、国民防衛隊PDF(クーデターで転覆された国民統一政府勢力)及びPDFの同盟勢力であるチン民族軍CNA、カチン独立軍KIA、カレン民族解放軍KNLAなどの戦闘が激化し、また比較的に大きな勢力を持つワ州連合軍UWSA、アラカン軍AA、シャン州軍SSAや三兄弟同盟3BHAなどが加え、まさに泥沼と化す戦況です。少数民族に対して抑圧、迫害する国軍もあれば、麻薬の栽培や電信詐欺を通じて資金源を得る反政府勢力もある、白黒つかない状態です。ほかの地域はさておき、画像10の2023年12月のミャンマ―内戦情勢図局部をご覧ください。独立してから70年以上政府(ライトグリーンの部分)の管理下にあるモゴック町(中心のオレンジポイント)ですが、元々はKIA(グレイの部分)やTNLA(ディープグリーン)勢力範囲に近く、PDF(赤い部分)による攻勢で疲弊した国軍の隙を突かれ、TNLAが2024年7月24日にモゴックの完全占拠を宣言し、現在はPDFと共にミャンマ―の第二都市であるマンダレーへ進軍しています。ちなみにタアン民族解放軍TNLAは東北部に暮らすトーアン族の自治を目的とする反政府武装組織で、トーアン族は中国の雲南省にも分布し、徳昂族と呼ばれています。ミイン氏の話によるとルビーが採掘されるモゴックは富が集まる地域に見えるが、循環と再生が可能な麻薬栽培と比べ不確定要素の多く、莫大な人力とコストがかかる宝石採掘は資金源としてはそもそも軍閥の眼中にあらず、また鉱脈全体が枯渇している現在では利用価値が低く、あくまでもマンダレー侵攻への布石として占拠されました。TNLAによる占拠後の現在ではモゴック全域は通信不可で移動制限も設けられています(2024年9月時点)。第二都市であるマンダレーが占拠されると軍部は20-60歳の男性全員に徴兵令が発令するかもしれないとミイン氏は嘆いた。
こちらの標本は世界有数の宝石産地であるミャンマーのモゴック地域の北西部に位置するペグマタイト鉱山であるピンジタウン鉱山からの紅電気石群晶、友人であるミャンマー地元のトップ級コレクター、ミイン氏から引き継いだこだわりのミャンマー宝石鉱物コレクションからの一点、ビルマトルマリンの代表的な銘品産状であるレッドキャップルベライトの贅沢な標本に、際立つバランスで鎮座する頂部を含め無傷なメイン結晶をはじめとして、艶やかなレッドキャップ群晶は無数の糸のように壮大な幾何学模様を織り出しながら、誰かに捧げるクリスマスの大輪花束から溢れる一本一本のローズのように晶出し、現在の市場では非常に得難いビルマトルマリン銘品・レッドキャップルベライトの贅沢な群晶標本です。最初に注目すべき群晶のみで構成された標本は非常に立派な約210カラット、40x40x30を突破した強烈な体積感で鎮座しています。地元コレクターの強いこだわりが伝わり、標本はただ漠然としたモゴック産ではなく、紅電気石の古典名産地として知られるモゴック地域の北西部に位置するペグマタイト鉱山であるピンジタウン鉱山まで詳しく特定されています。マット質感の濃紅のキャップと強烈な硝子光沢が走るピンクのボディは調和した色調と奇妙な質感のコントラスト(画像1,8)を作りながら無数晶出し、ビルマトルマリンの代表的な銘品産状であるレッドキャップルベライトの贅沢な標本に、際立つバランス(画像2,3,7)で晶出する頂部(画像9)を含め無傷なメイン結晶(画像5:メイン結晶裏面の一部にスムージー状に風化された長石と思われる鉱物が共生し、ダメージではありません)をはじめとして、艶やかなレッドキャップ群晶は無数の糸のように壮大な幾何学(画像1,2,3,6,7,8)模様を織り出し、曹長石の亜種であるクリーブランダイトの刃状群晶は白い花弁のように点在し、UVライトで強烈な青白い蛍光(画像4)を放ちます。最も特筆すべきことは何と言ってもこの長年新しい産出のなく、現在の市場では非常に得難いビルマトルマリン銘品、誰かに捧げるクリスマスの大輪花束(画像2,3,7)から溢れる一本一本のローズ(画像1,6,8,9)のように晶出するレッドキャップルベライトの贅沢な群晶標本です。こちらの標本の入手経緯もやや特別で、アメリカ人のコレクター先輩の助言とご紹介をいただき、ヤンゴンに在住するミャンマー地元のトップ級コレクターであるミイン氏から引き継いだコレクションからの一点です。現在のモゴック全域の鉱脈は枯渇に近く、さらに激化された内戦の影響でミャンマ―からの宝石鉱物の流通はほぼ絶えた状態となっています。ミャンマーの軍政府は個人の外貨の保有は極めて厳しく取り締まられているので、ミイン氏の本名はネット上で伏せさせて頂きます。英語とミャンマー語のミインオリジナルラベル二枚、専用展示ステージが付属致します。
この度コレクション整理のため出品いたします、この機会をぜひお見逃しなく。