●極上和本YM4827●江戸明治古文書等＞引き札刷り物「讃州金毘羅出船所・平野屋佐吉」大阪堺筋長堀橋南詰

■引き札刷り物「讃州金毘羅出船所・平野屋佐吉」大阪堺筋長堀橋南詰

【判型】1枚と袋の表面切取り。文書は縦151粍×横215粍、袋表面は縦155粍×横60粍。

【作者】平野屋佐吉作。

【年代等】江戸後期刊か。［大阪］平野屋佐吉蔵板。

【備考】分類「古文書」。金毘羅参詣の遊覧案内を行った金毘羅船の初期の船宿業者の一人である大阪堺筋長堀橋南詰(現・大阪市南区長堀橋筋1丁目)の平野屋佐吉の書状形式の引き札。ブログ「瀬戸の島から」によれば、平野屋左吉は、「大阪市内と安治川港を結ぶ小型船」と「安治川港と丸亀港を結ぶ大型船」の2種類の船を持っており、これらの船を使い分けて、金毘羅船経営を行う大規模経営者であったらしい。平野屋の発着所があった長堀橋は川面と水平に架けられた平橋で、大きな船は通れなかったが、平野屋左吉は、堺筋長堀橋南詰の発着場と安治川港の間を小型の船で結び、安治川港で大型の金毘羅船に乗り換えて丸亀港を目指すアイデアを考案した。普通の船宿経営者は、小型の船で大阪市内と丸亀港を直接結ぶ小規模の経営者が多かったのに対し、平野屋の売りは、金毘羅の宿は最高グレードの虎屋であり、富裕層は大型船で最上級旅館にも泊まれる平野グループの金毘羅詣プランを選んだらしく、江戸後期には金毘羅船運行の主導権は、多田屋や大和屋から平野屋に移っていたようだ。