2021年発行 死に至る病 岩波文庫 キェルケゴール

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『死に至る病』（キルケゴール著、斎藤信治訳、岩波文庫）は、19世紀デンマークの哲学者 セーレン・キルケゴール（1813-1855）が執筆した代表的な哲学書のひとつであり、 絶望 という概念を深く掘り下げた作品です。

キルケゴールは 「死に至る病」とは絶望である と定義し、人間が精神的にどのように絶望し、どのようにそれを克服できるのかを論じています。彼の考えでは、 絶望とは自己を見失うこと、もしくは 自己を完全に受け入れられない状態 であり、これは単なる気分や一時的な感情ではなく、 人間の存在そのものに根ざした根本的な問題 であるとされています。

キルケゴールの哲学は、後の 実存主義（サルトル、ハイデガーなど）や 心理学（フロイト、ユングなど）にも多大な影響を与えました。本書では、 自己とは何か？人間はなぜ絶望するのか？どうすれば真の自己になれるのか？ という問いを深く掘り下げながら、 信仰 の役割や 実存的な目覚め について論じています。

この岩波文庫版は、 1939年に初めて刊行 され、その後も長年にわたって読み継がれ、 2021年に第111刷が発行 されるほどのロングセラーとなっています。特に日本では、 実存主義や哲学に関心のある読者 の間で長く愛され続けている作品のひとつです。

本書を読むことで、 現代社会における「自己とは何か？」という問いに対するヒントを得ることができる かもしれません。 悩みや葛藤を抱える人にとって、単なる哲学書ではなく、自己を見つめ直すための指針となる一冊 ともいえるでしょう。