ブライロフスキー/ワッツ/ピアノ協奏曲/ショパン&リスト/FCCA-15
ショパン/ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11
アレクサンダー・ブライロフスキー(ピアノ)
ユージン・オーマンディ指揮
フィラデルフィア管弦楽団
リスト/ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
アンドレ・ワッツ(ピアノ)
レナード・バーンスタイン指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
ショパンにはピアノ協奏曲が2曲あります。協奏曲へ短調作品21(1820-1830)とこの協奏曲ホ短調作品11(1830)がそれで、作品番号に伴い前者が2番、後者が1番という番号呼ばれていますがその実作曲順はまったくのさかさまで、両者ともショパン20才の頃の若い時代の作品に当ります。そういえばショパンは生涯に6曲のピアノとオーケストラのための曲を書いているのですがそのいずれもが初期の作で、全てが20代そこそこの時代までに作り上げられ、それ以降にはこのジャンルの作品が書かれることはありません。よく言われるように、ショパンにはこのような大規模な作品が本質的に不得手だったのでしょう。なかでも一番有名なこのホ短調のピアノ協奏曲においてすら、度々オーケストレーション批難の的となることがなるくらいなのですから。以後彼の興味がピアノの小品を中心に向けられるのは、自らの適性に作曲家が順応した結果と言えるかも知れません。それにしてもこの協奏曲には、若い作曲家が未来に飛び立とうとしている情勢の若やぎが感じられはしないでしょうか。
ショパンと同じようにリストのピアノ協奏曲の数も2つ。そしてピアノとオーケストラのための作品もほぼショパンの数に近い7曲を数えます。加うるにショパンの場合と同様、《第2番》が1839年、《第1番》は1849年の作というように作曲順は番号とは全く逆と、妙にこのレコードに収められている作品は、合致するところが多いですね。と言っても曲の内容はまったく正反対。円熟期の作という点でもショ パンの曲とは大いにその中味を異にしています。1840年頃から書き始められたと考えられ完成を見た後も1853年に改作をほどこされました。初演は1855年2月17日。作曲者自身のピアノとベルリオーズの指揮、ワイマール宮廷オーケストラによってなされています。
楽しんで聴いていただける商品です。ジャケットに歴史を感じさせるそれなりの痛みはあります。