CDつき　原色 小倉百人一首 朗詠

原色 小倉百人一首　 朗詠CDつき 鈴木 日出男 / 山口 慎一 / 依田 泰 定価: -¥ 893 『百人一首』は、藤原定家が奈良時代から平安時代に生きた百人の歌人の歌を選んだアンソロジー歌集。 古代の天智天皇の歌に始まり、承久の乱に敗北し、佐渡に配流された順徳院と後鳥羽院の歌で幕を閉じます。 歌神とあがめられた柿本人麻呂、絶世の美女小野小町、『源氏物語』の作者紫式部、桜と月を愛した修行者西行、鎌倉幕府三代将軍源実朝、『新古今和歌集』の下命者後鳥羽院など、歴史上の有名人が名を連ねていますが、特に平安朝の女流文学者たちが勢揃いしていて壮観です。 その代表者として紫式部と清少納言の作品を紹介します。 ✤紫式部 　　めぐり逢ひて　見しやそれとも 　　わかぬまに　雲がくれにし 　　夜半の月かな 和泉式部の次に登場するのは、『源氏物語』の作者、紫式部です。百人一首の前半に、女性は4人しか登場しません。でも、後半になると女性スターがどんどん登場します。王朝文化が全盛期を迎えると、女性の出番も多くなるということです。 和泉式部は「恋多き女」ですが、紫式部は「恋少なき女」です。そんなに男が好きじゃなかったみたいです。…… ✤清少納言 　　夜をこめて　鶏の空音(そらね)は 　　はかるとも　よに逢坂の 　　関はゆるさじ 清少納言は、多くの優秀な女房を抱える中宮彰子とはライバル関係にある、中宮定子に仕えた女房です。中宮定子は、栄華の絶頂から没落する儀同三司母の娘で、清少納言は、その没落する皇后に仕えたのです。優れた才能に恵まれた清少納言に対抗するため、藤原道長は娘彰子の周りにも紫式部や和泉式部、伊勢大輔(いせのたいふ)など優秀な女房たちを集めました。藤原家どうしの熾烈な後継者争いの裏で清少納言と紫式部らの一条天皇をめぐるアピール合戦の様相を呈しています。 清少納言としては複雑でしょう。この和歌は、彼女が得意の絶頂にいた頃のものです。 …… 他の女流歌人も3首紹介します。 　花の色は　うつりにけりな　 　いたづらに　わが身世にふる 　ながめせし間に　　　　　小野小町 　あらざらむ　この世のほかの 　思ひ出に　今ひとたびの 　逢ふこともがな　　　　　和泉式部 　玉の緒よ　絶えなば絶えね 　ながらへば　忍ぶることの 　弱りもぞする　　　　　式子内親王 美品