OS-543-C
グリーク ピアノ協奏曲イ短調作品16
シューマン ピアノ協奏曲イ短調作品54
ジョージ・セル指揮ークリーヴランド管弦楽団
レオン・フライシャー=ピアノ
●シューマンとグリークのピアノ協奏曲
シューマンとグリークの、どちらもこのイ短調という同じ調性を持つ曲一つだけしか書かなかった二人の作曲家の代表作とも言うべきピアノ協奏曲は、その外観上とてもよく似た点のある作品である。そして、まったく同じような方法で曲を開始し、詩的な幻想が豊かにあふれ、グリークがピアノ演奏技巧的にキメのこまかいはなやかさを終楽章にもりあげているいっぽう、シューマンはピアノ音楽的書法においてこの人の最高の水準に到達した技巧で終楽章を完成するなど、いささかの対照は見られるが、その志向する音楽は、じつにロマンの香り高い夢と理想にみちた、すぐれたピアノ協奏曲なのだ。ロマン派のピアノ協奏曲の中にあって、ショパン、リスト、 ブラームス、チャイコフスキーらの名作に伍して、グリークとシューマンのそれは特にロマンティックな感覚とふきこぼれるような新鮮さにみなぎる美しい傑作に数えられている。
●レオン・フライシャー=ピアノ
サン・フランシスコ生れのロシア系アメリカ人。7才の時に公開演奏会を開くという天才ぶりを示した。10歳の時、大ピアニスト、アルトゥール・シュナーベルに認められて、彼の自宅に引きとられ、教えを受け、1943年には、モントゥー指揮のサン・フランシスコ交響楽団と協演してデビューした。さらに52年にはベルギーのエリザベス国際音楽コンクールで優勝するという、みごとな躍進ぶりで、これからのピアニスト界を背負って立つひとりに違いない。
楽しんで聴いていただける商品です。ジャケットに歴史を感じさせるそれなりの痛みはあります。