ファントム・ロッカー＆スリック／ファントム・ロッカー＆スリック（ファースト・アルバム）

1985年の作品。 ファントム・ロッカー＆スリックは、1983年に結成された米国出身のバンドです。 ドラマーのスリム・ジム・ファントム（本名：ジェームス・マグドゥネル、1961年3月20日生まれ）と、ベーシストのリー・ロッカー（本名：レオン・ドラッカー、1961年8月3日生まれ）は、ニューヨークで一緒に生まれ育ち、元ストレイ・キャッツのメンバーです。 1952年10月1日生まれで、彼らより年長でキャリアも豊富なアール・スリックは、多くのミュージシャンのサポート・ギタリストとしての地位も確立しており、特に評価されたのが、デヴィッド・ボウイとの活動です。 1974年のダイヤモンド・ドッグス・ツアーでミック・ロンソンの後任としてリード・ギターを務めたのを手始めに、1975年の『ヤング・アメリカン』、1976年の『ステーション・トゥ・ステーション』のそれぞれのアルバム・レコーディングおよびツアーにも参加し、1983年のシリアス・ムーンライト・ツアーでは途中離脱したスティーヴ・レイ・ヴォーンと交代するかたちで、ボウイをサポートし続けました。 こうして結成されたファントム、ロッカー＆スリックは、1985年にバンド名を冠したデビュー・アルバムである今作を発表しました。 1950年代スタイルのロカビリーのリズム・セクションとエッジの効いたロックンロール・ギターを融合させ、ラフなルーズさを現代風の疾走感に溢れたサウンドに変えるようにリードするのは、やはりアール・スリックの経験に裏付けられたギター・プレイです。 収録曲のなかでの聴きものは、6分20秒に及ぶ『Men Without Shame』で、スリックは突き刺すようなソロ・プレイと、パンチを加えたリズム・リフを交互に演奏し、ロックンロール・ギターの見本のような多彩なプレイを見せつけます。 そのギター・プレイに反応するように『My Mistake』ではキース・リチャーズが、『No Regrets』『Lonely Action』ではニッキー・ホプキンスが、さらにボウイ繋がりでカルロス・アロマーやロビン・クラークらがゲスト参加しています。 米国輸入盤なので、英詞が記載されているのみで、日本語関係の資料はありません。 ジャケット側面と、レコードを入れている紙袋に破れが少しあります。 それ以外は美品です。