2005年の作品。
1960年代のオーストラリアのロック・シーンで絶大な人気を誇ったバンドに、イージービーツ(The Easybeats)があります。
当時は"ブリティッシュ・インベンション"の時代。数々の英国のバンドが米国のヒット・チャートを席巻していた頃で、彼らも"英国の"レコード会社に注目されることとなり、1966年に世界的なデビューを果たすことになります。
デビュー曲『我が心の金曜日(Friday on My Mind)』は、全英シングル・チャート6位、全米チャート16位となる大ヒットとなり、のちにデヴィッド・ボウイやピーター・フランプトンやゲイリー・ムーアなどがカバーする、ロックの歴史に残る名曲となりました。
この曲を書いたバンドのメンバー、ハリー・ヴァンダ(Harry Vanda)とジョージ・ヤング(George Young)が1976年に結成したユニットが、フラッシュ&ザ・パンです。
このユニットの特徴は、上記のようなソング・ライティング能力とポップ・センスを持っていながら、自らそれにソッポを向くような、モデュレーションなど歪んだ音響加工を強く効かせたボーカルを、わざわざ楽曲に取り入れているところです。
この辺の一筋縄ではいかない、捻ったアイデアへの拘りは、本家英国のバンド、キンクスや10ccなどに通じるものがあるのかもしれません。
ちなみに、フラッシュ&ザ・パンのほかにソングライターやプロデューサーなどの活動もしている彼らですが、なかでも有名なのが、ヤングの弟2人、マルコムとアンガスのバンド、AC/DCの作品でしょう。
そんな多才な彼らに敬意を表してでしょうか、ダイアー・ストレイツのデビュー・ヒット曲『悲しきサルタン(Sultans of Swing)』の歌詞のなかに出てくる"Harry"と"George"は、彼らのことを示唆しているというエピソードもあります。
ドイツ輸入盤なので、英語のライナーノーツが記載されているのみで、日本語関係の資料はありません。
美品です。