北の十字軍―「ヨーロッパ」の北方拡大
山内 進
講談社選書メチエ 1997
時は中世、ヨーロッパ北方をめざす「もう一つの十字軍」があった。教皇の名の下、「異教徒を根絶」すべく残虐の限りを尽くすドイツ騎士団。それを正当化した「思想」とは何か?大殺戮批判が生んだ「人権思想」とは?三世紀に及ぶゲルマン・スラブの相克から「大航海期」までをも展望し、ヨーロッパ拡大の理念とその矛盾を抉りだす。
サントリー学芸賞受賞
目次
プロローグ 映画『アレクサンドル・ネフスキー』が語るもの
第1章 フランク帝国とキリスト教
1 ゲルマン人の改宗
2 カール大帝
3 北のフロンティア
第2章 ヴェンデ十字軍
1 「聖戦」の思想
2 蜜の流れる博士―クレルヴォーのベルナール
3 方向転換
4 さらなる拡大
第3章 リヴォニアからエストニアへ
1 司教アルベルトの野望
2 エストニア侵攻
3 征服か、伝道か
第4章 ドイツ騎士修道会
1 戦う信仰集団
2 プロイセンのドイツ化
3 ロシアとの衝突―アレクサンドル・ネフスキー
第5章 タンネンベルクの戦い
1 終わりなき戦闘
2 ポーランド・リトアニア連合
3 1410年七月十五日
第6章 コンスタンツの論争
1 騎士修道会のまきかえし
2 パウルス・ウラディミリ登場
3 論争の果て
エピローグ 「北の十字軍」の終焉とヨーロッパのグローバルな拡大
註
あとがき
主要人名・文献索引
カトリック圏である西ヨーロッパが中東に行った侵略である十字軍は、東欧に対しても行われていた。余り知られていない、もう一つの十字軍を紹介している。東方に住むヴェンド人、エストニア人、リトアニア人といった、まつろわぬ異教徒達は、カトリックを背景にした騎士や修道士達によって、執拗な侵略を受けていた。組織的な暴行・略奪とキリスト教徒の殖民、東方は西欧にとって、正にフロンティアだったらしい。異教徒を殺せば天国に行けるという宗教的熱情と、自分達の土地が手に入るという実利がそれに拍車をかけ、全く逡巡も無かった。(レビューより)
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