本書が主に想定する読者は″勉強をする人″とのこと、
主に難関校を目指すような高校生や予備校生などが該当しますが、
目標達成論という点では学生に限らず目標に向かって勉強をする人にはぴったりです。
また社会人なら人材育成や意志決定システムの問題点の発見に、親なら子供に対する教育に役にたちます。
筆者も書いていますが、この本は具体的なメソッドを伝える本ではなく、その上層に位置する枠組み=フレームワークを構築するものです。
フレームワークは核要素「やる気」「判断」「効率」で構成され、うまくいかない原因のほとんどはこの核要素のどれかに問題が出ていることがほとんどだといいます。
それに気づかなければ、他人の成功例やメソッドをかき集めていても何も問題は解決しない、それを訴えたものが本書のタイトルでもあります。
3つの核要素を意識すること、
それを可能にするため毎日少しだけ立ち止まる時間をつくること、
その2点がこの本の肝となる部分かと思います。
どうすればやる気を上げられるのか、効率や判断力を上げるにはどうしたらよいか、具体的な方法を知りたいのであれば本書のなかで時折紹介される別著を読んでみるといいかもしれません。
※以下抜粋
○成長するとはいわばリンゴを200m先まで持っていくようなもの、意志のないリンゴにたいし人間は余計な感情を多く持つ。
車が進むのに必要なものはたった3つ、スピード、方向、燃料。
同じように人が成長するのに必要なのは、
効率(スピード)、
判断(舵取り)、
やる気(燃料)、の3つで、物理的な絶対法則を前提としている本書は多くの成功事例から帰納的に法則化する他書とは異なる点。
スピードばかり早くしても燃料が足りなければ走れない、遠くまで走れても方向が間違っていれば成長につながらない。
○多くの人が求めるメソッドとは上記より細分化された段階、大きな3つのフレームワークのどれかに問題がある場合
メソッドのみ学んでも解決しない。
問題の解決にはまずフレームワークのどこかに問題がないかを確認しなければいけない、これは企業の場合も同じ、
問題の根源が意志決定のプロセスにある場合は小手先の施策をいくら頑張っても改善は難しい。
牛山 恭範
定価: ¥ 1600
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