モーツァルト
①クラリネット協奏曲イ長調K.622
②クラリネット五重奏曲イ長調K.581
エリック・ヘプリック（クラリネット）別表記：ホープリチ
指揮：フランス・ブリュッヘン①
18世紀オーケストラ①
ルシー・ヴァン・デル、アルダ・ストゥーロプ(vn)②
ウィム・テン・ハーヴェ(va)②
ウォルター・メラー(vc)②
録音：1985、87年
すべてを超越してしまった世界から響いてくるような音楽です。モーツァルトの最晩年の曲には、なんともいえない不思議な「軽さ」「透明さ」があります。モーツァルトのクラリネット協奏曲には所謂名盤、名演奏がたくさんありますが、ウラッハ盤は別格として、ステレオ録音の中では、最有力候補の1枚がこのCDです。真摯なブリュヘンの指揮に支えられ、バセット・クラリネットを使ってモーツァルトのオリジナル通りに演奏するヘプリックが見せてくれる世界は、特別です。もし、この世に「永遠」というものが存在するのなら…この曲を聴いている時がそうかもしれない。本当にモーツァルトのイ長調のこの曲は特別な曲だと思っています。
バセット・クラリネットによる演奏。こちらのほうがペイ＆ホグウッド盤よりも深い音色が聴ける。演奏としても（フルート協奏曲とは違って）この曲の場合にはブリュッヘンの彫りの深い指揮のほうが、ホグウッドよりも感動できる。クラリネット五重奏曲とカップリングも魅力的。
モーツァルトが愛したバセット・クラリネットを、当時の姿に復元制作・演奏しているホープリッチ。現代のクラリネットで演奏すれば非常に簡単に、均質な音色で吹ける箇所が、古楽器だと非常に難しくなったりもするそうです。しかし、演奏した響きを聴けばモーツァルトが、この楽器のために書いた理由がよくわかる、と語りました。
モーツァルトからふたつのクラリネットの名曲が生まれた背景に、フリーメイスン仲間、アントン・シュタードラー（1753-1812）という天才奏者の存在があったことはあまりに有名なことです。ことさら低音域が拡大されたシュタードラー独特のバセット・クラリネットを好んで演奏し、またモーツァルトも彼のこの楽器のために五重奏曲・協奏曲を作曲したのでした。
国内盤【廃盤】帯無し、盤面傷無し
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